【11月編】月一河川敷採集記 〜河川敷のCarabidae〜

2016.11.20
20°C/9°C
朝5時半のアラームであっさり目覚めてしまった私は、採集に行く事にしました。
気分が晴れないこの感じは、去年の強制リフレッシュ採集を思い出します…
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この日は晴れの予報だったので天気は大丈夫だと思ったのですが、かなり霧が出ていました。
今回の目標…?
・セアカオサムシ
・オオヨツボシゴミムシ
・アリスアトキリゴミムシ
採集行くために無理矢理考えた感が半端ないですが…
そんなにガッツリ狙っていくわけではなく、色んなゴミムシを狙いつつやっていこうかな、って感じです。
前回、草起こしで色々なゴミムシと出会ってから「ゴミムシ掘り」をちゃんとやりたくなったのです。
多産地の場所(某遊水地)に頼って採集してしまえばそれで満足できるような気もしますが、
セアカオサムシだけは河川敷で採集したい思いが未だに強いです。何でだろう…
(セアカオサだけは他の場所で採れたとしても河川敷で採れるまで狙い続けたいって思う。)
オオヨツは近辺での記録が長い間ないっぽいので相当キツそうです。
アリスアトキリは採れるらしいけどぶっちゃけよく分からない。
カワラケアリ自体は河川敷内ならどこへ行っても出会うような存在ですが、アリスが採れる環境ってのを全然把握できてないですからね…
そんな感じなので掘りで未採集なゴミムシを求める採集になりそうです。
前回の採集から、ゴミムシ採集で目を付けるべき点として学んだ事がひとつ。
“土質(どしつ)”
泥っぽい土なのか砂っぽい土なのか。後は湿ってるか乾燥してるか。
草地とか湿地とか、生えてる植物とかの違いで比べるよりもっとゴミムシの生活に直結するような具体的なところを見た方がいいんじゃないの………
って、今になって気づきました(笑)
そういう訳で、
ネットの採集記を改めて見ると、セアカオサとアリスは砂っぽい土を好みそうな気がしたので、砂っぽい土を求めて前回も行った川沿いへ再び向かいます。
向かう途中、しょぼい崖があったので少し掘ってみたのですが…
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キンボシハネカクシ
Ocypus weisei Harold, 1877

なんだこのカッコいいハネカクシは…
持ってた図鑑にもちゃっかり載ってたりするんですが、まさか実物がこんなに綺麗なものだったとは思いませんでした。
こういう大きくて(同定しやすい)ハネカクシはむしろ好きかもしれません(全然出会わないけど…)
ハネカクシも展足とか同定慣れして採集数を少しずつ増やしていければいいなと思ってます。
(今はカッコいいなと思ったものを採るだけです)
ニセコガシラアオゴミムシ
コガシラアオゴミムシ
Chlaenius variicornis Morawitz, 1863

→ニセコガシラでした。
さらに掘ってたらコガシラアオ。
そういえばコガシラアオってこういう泥っぽい所でも出るし、川岸の砂の崖でも出るし、林の中の材でも出る…
(越冬場所にこだわらないタイプなんですかね…)
いつもより粘ってみましたが、ゴミムシ以外の虫を数頭追加したのみでした。
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土質は…砂っていうよりは粘土?
なんとなくだけど湿地系ゴミムシ狙うにはまだ湿り気が足りない気がする…
前回「枯れ草起こし」でかなりの成果を上げた場所を通りかかったので今回もやってみたんですが(他の場所でも、枯れ草が溜まった場所を見つける度に少しやってみたんですが…)、この日は全然ダメでした。
ってことは前回のは越冬では無かったのか!?
オギ
オギ
Miscanthus sacchariflorus (Maxim.) Benth.
霧が全然晴れない…
(少し藪漕ぎするだけで靴とズボンがビッショビショになる…)
で、前回の河原ポイントに。
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ヒメマイマイカブリ
Damaster blaptoides oxuroides (Schaum, 1862)
ヨツボシゴミムシ
ヨツボシゴミムシ
Panagaeus japonicus Chaudoir, 1861
枯れ木があったので割ってみました。
マイマイとヨツボシゴミムシ。どちらも採集。
この河川敷のマイマイはウスバカミキリとかその辺の食害を受けまくった空洞だらけの木(クワ?)から出る事が多い気がします。(ていうか今までのやつほとんど同じ種類の木から出してる気がする…)
前回同様に川岸に行って、砂の崖掘ったり木の枝に溜まった泥やゴミを崩してみたりしましたが、
まるで成果がなかった(泣)
砂の崖はオオマルガタが一頭出た程度でした…
次に行く場所を考えつつ来た道を違うルートで戻っていると、
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久々にめくれそうなムクノキを見つけました。
(マルガタチビタマムシのホストはムクノキ)
適当に一枚めくってみた所…
マルガタチビタマムシ
マルガタチビタマムシ
Trachys inedita E.Saunders, 1873
あっさり採れた。
見分けられるか不安だったけどナミガタにしては異常なレベルで小さかったのですぐ気付くことができました。
模様も色も独特で、やっぱり一度見てしまえば覚えられるようです。
以前はケヤキがホストだと勘違いしていたのでケヤキの樹皮をひたすらめくってやっと一頭得たのですが、
正しいホストの樹木で樹皮めくりするとこんなにアッサリ採れるものなのか…
さらにこの後、2匹追加(笑)
前のマルガタチビは展足失敗してしまったのでこれは嬉しい収穫でした。
今回もやっぱりナミガタの類って分かってるチビタマを持って帰って来てしまいました…
既採集でもタマムシがいると採らずにはいられなくなってる…(こうしてヤノナミガタとナミガタの標本が増え続ける…)
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川岸で色々やって最初の場所に戻って来た結果、
入ってすぐの所で一番最初に掘った場所の土質が一番いい感じという結論に(笑)
表面は泥っぽい感じになってるんですが、中は砂がメインです。
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ここのゴミムシの密度が凄まじく、枯れ草起こしに匹敵するレベルの頻度でゴミムシに出会います。ただ………
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出てくるゴミムシが、オオマルガタ、マルガタ、ホシボシなどに限られる…
はっきり言って、
微妙。
掘っても掘っても出てくるのはホシボシゴミムシばかりなので、ある程度で切り上げて次へ向かいます。
ここで多分少ないんじゃないかと思う、「ピンク色のヒシバッタ」を採集したんですが痛恨のロスト。結構悔しかった…
来年以降は普通種直翅目もガンガン採集していくつもりなのでその時にまた出会えるといいのだけど…
次の場所へ。
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材を割りに来ました。
何がしたいのかさっぱりわからない工事現場の隣の雑木林です。
どこまでの範囲で工事が行われるのかはっきりわからないけど、そっちがその気なら
こちらも躊躇しないでやらせてもらおう。
今までは結構中途半端に割り残したりしてたんですが、狙う相手はオオヨツ(この河川敷では多分かなり厳しい)なので、破壊を恐れていて出会えるような相手ではありません。
なので見つけた材の柔らかい部分はできるだけ削りきることにしました。
材を割っていて見られるゴミムシは大多数がアオゴミ、オオホソクビ。
たまにウスアカクロゴモクが混ざります。
そしてそれ以外のゴミムシは少ないながら得ることができました。
コキベリアオゴミムシ
コキベリアオゴミムシ
Chlaenius circumdatus Brulle, 1835

コキベリ!!
これは今日出会いたかったゴミムシの一つだったので純粋に嬉しかった…
本来の越冬場所はここではないはずだけど…(材で出すのは2回目)
後は過去に草地のトラップで二頭得ていたはず。
ふと思い出したけど、この河川敷にはオオキベリアオゴミムシはいないんだろうか…
そもそも越冬するような場所が見当たらないんだよな…
粘土質で、乾燥した崖なんて無いと思うんだけど、だとしたらベイトで落ちるミイデラとかどこで越冬してるのか全く想像がつかない…
やっぱり地面直下掘りとかやるしか無いのかな…(笑)
いろんな場所で色んな風に掘ったりしてみたけど何かが足りない。ゴミムシが越冬する場所に必要な要素なのか…掘り続けるガッツなのか…
コキベリの他にも、
ノグチナガゴミムシ&チビアオゴミムシ
左: ノグチナガゴミムシ
Pterostichus noguchii Bates, 1873
右: チビアオゴミムシ
Eochlaenius suvorovi Semenov-Tian-Shanskij, 1912
どちらも河川敷で出会うのは久々で懐かしさを感じます。
ノグチナガは今日しっかり完品個体を採りたかったので何とか得られて一安心です(汗)
材から出るのはゴミムシだけではありません。
カントウアオオサムシ
カントウアオオサムシ
Carabus insulicola kantoensis Ishikawa et Ujiie, 2000
(左右別個体です)
アオオサって材からも出るんだ…
付近に越冬に適した崖がないっていう事なのか?
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※写真下部分にマイマイが写ってます。
なんでなのか分からないが今回の採集でマイマイの写真をまともに撮っていない(汗)
いつの間にか普通に「ここからマイマイ出るな」って所を削ってマイマイが出せるようになっていました。
昔と比べて成長したなぁ…(たまたま出ただけだと思うが)
一通り過去に採集したゴミムシが揃って来て、材割りもそろそろ罪悪感を感じ始めたので移動。
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いつの間にか霧も晴れて日が差してました。
前回も行った葦原へ行ってみようかなという事で。
途中、苔が生えてる場所があります。
ここで、苔を適当に剥がしたり掘ったりしてたら…
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オオズケゴモクムシ
Harpalus eous Tschitscherine, 1901
初採集。これはその場でなんとなく未採集なのが分かったのでしっかり採集できました。
思ったより深い所に潜ってました。
苔、といえばセアカオサが苔の下から採れるなんてのがありますが、当然どこでもそうなわけではない…
ここにあるようなこんな苔の下にオサムシが潜れるわけが、
がっ!!!
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カントウアオオサムシ
Carabus insulicola kantoensis Ishikawa et Ujiie, 2000
出るんだ……(汗)
完全に油断してたのでクラッシュする寸前でした。
一応採集しておいて、後は徹底的に苔を剥がしまくって調べます。
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行ける気がした。
この流れならもしかすると………???
___ダメでした(泣)
セアカ“オサ”はダメでしたが、
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左: アトワアオゴミムシ
Chlaenius virgulifer Chaudoir, 1876
右: オオアトボシアオゴミムシ
Chlaenius micans (Fabricius, 1792)
セアカ“ゴミムシ”は二頭。
アトワアオ…9月に逃げられた分取り返せました!(河川敷では初)
これで、9月のヒメキベリロストをかなり悔しむことに(笑)
他に、苔地帯周辺ではヨツモンコミズギワが普通に活動してたのですが、その中にちょっと違和感のある奴がいて___
ヨツモンコミズギワゴミムシ
ヨツモンコミズギワゴミムシ
Tachyura laetifica (Bates, 1873)
気のせいだったみたいです(笑)
その後は、葦原の近くまで行ってヒメホソナガゴミムシとミズギワゴミムシを採集。
この辺りで…体力的な限界を感じました。
「あきらめんなよ…」
だからそういうのがいらねえって言ってんだよ…
無理にポジティブになろうとしたり、自分は鬱だマイナス思考だって強く思い込んだりするから訳がわからなくなってしまう、と最近思うようになりました。
自分の本心に忠実に生きてれば後悔することなんてない、はずだから…
元々、今日は途中で身体的に限界が来るように、食料・飲み物を一切持って来ていなかったのでここでやっと採集を終わりにする気になれました。
既に14:00を回っており、移動やら掘削やら材割りやらで相当消耗したらしく、自転車を漕ぐのもめちゃくちゃゆっくりに(笑)
帰りがけに夏にヤマトタマムシを恵んでくれたクヌギ立ち枯れが目について、
「ナガタマが入った材とか無いかな…?」と思って寄ってみたのですが、乾燥してて食痕も一切見られない材ばかりで希望が持てないので諦めました。
カミキリ幼虫が一匹出た材があったので、来年の初夏にまた来れれば………
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立ち枯れの根元には、今にも剥がれ落ちそうな分厚い樹皮。
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ヒメマイマイカブリ
Damaster blaptoides oxuroides (Schaum, 1862)

ああ、そうだ。
マイマイってこういう所からも出る虫なんだった(笑)
狙うつもりは全く無かったのに出て来てしまったので、反射的に採集してしまいましたが…一匹、かなりボロボロの個体が混じっていることに気づいたのは〆た後でした…
かつてはマイマイカブリをメインで狙って採集行って、やっと1頭、2頭採れるレベルだったのに気づけば今はこんなにもあっさり出会えるようになっていた。
あの頃がとても懐かしい。
マイマイで始まってマイマイで終わる河川敷採集。
それも、なかなか悪くない、、かもしれない___
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という感じで15:00前に完全に終了、帰宅となりました。
分かってはいましたが、最初にあげた目標には程遠く、ゴミムシが越冬するような崖も、それに代替する環境もうまく掴めませんでした。
今回は過去に河川敷で採集して来た多くのオサムシとゴミムシに再会することができて本当に嬉しかったです。
(一番嬉しかったのはキンボシハネカクシだったりする…)
もしかしたら、これが最後になるかもしれないって思ってたから……満足できてよかった。
来年以降、またここを訪れることができるだろうか。
全く違う場所で同じように昆虫採集をやってるんだろうか。
今の自分には考えても分かりません。
これが最後だと思いますか……?
次で月一採集は最後です。


【結果】※色付きは自己初採集
マルガタチビタマムシ
Trachys inedita E. Saunders, 1873
3exs.
ナミガタチビタマムシ
Trachys griseofasciata E. Saunders, 1873
4exs.
ヤノナミガタチビタマムシ
Trachys yanoi Y. Kurosawa, 1959
1ex.
ヒメマイマイカブリ
Damaster blaptoides oxuroides (Schaum, 1862)
5exs.
カントウアオオサムシ
Carabus insulicola kantoensis Ishikawa et Ujiie, 2000
3exs.
メダカチビカワゴミムシ
Asaphidion semilucidum (Motschulsky, 1861)
1ex.
ヨツモンコミズギワゴミムシ
Tachyura laetifica (Bates, 1873)
2exs.
ノグチナガゴミムシ
Pterostichus noguchii Bates, 1873
2exs.
ヒメホソナガゴミムシ
Pterostichus rotundangulus Morawitz, 1862
1ex.
コガシラナガゴミムシ
Pterostichus microcephalus (Motschulsky, 1860)
1ex.
アシミゾナガゴミムシ
Pterostichus sulcitarsis Morawitz, 1862
1ex.
アオグロヒラタゴミムシ
Agonum chalcomus (Bates, 1873)
1ex.
マルガタゴミムシ
Amara chalcites Dejean, 1828
2exs.
オオマルガタゴミムシ
Amara gigantea (Motschulsky, 1844)
2exs.
オオズケゴモクムシ
Harpalus eous Tschitscherine, 1901
2exs.

ケウスゴモクムシ
Harpalus griseus (Panzer, 1797)
1ex.
クロゴモクムシ
Harpalus niigatanus Schauberger, 1929
1ex.
ウスアカクロゴモクムシ
Harpalus sinicus Hope, 1845
4exs.
アカアシマルガタゴモクムシ
Harpalus tinctulus Bates, 1873
2exs.
ホシボシゴミムシ
Anisodactylus punctatipennis Morawitz, 1862
7exs.
ヨツボシゴミムシ
Panagaeus japonicus Chaudoir, 1861
4exs.
アトワアオゴミムシ
Chlaenius virgulifer Chaudoir, 1876
1ex.
オオアトボシアオゴミムシ
Chlaenius micans (Fabricius, 1792)
1ex.
コキベリアオゴミムシ
Chlaenius circumdatus Brulle, 1835
1ex.
コガシラアオゴミムシ
Chlaenius variicornis Morawitz, 1863
1ex.
チビアオゴミムシ
Eochlaenius suvorovi Semenov-Tian-Shanskij, 1912
1ex.
コクワガタ
Macrodorcas rectus rectus (Motschulsky, 1857)
3exs.
ナナホシテントウ
Coccinella septempunctata Linnaeus, 1758
1ex.
アルファルファタコゾウムシ
Hypera postica (Gyllenhal, 1813)
1ex.
トホシクビボソハムシ
Lema decempunctata Gebler, 1830
1ex.
ヒメカメノコハムシ
Cassida piperata Hope, 1842
1ex.

スズキミドリトビハムシ
Crepidodera sahalinensis Konstantinov, 1996
1ex.
エグリゴミムシダマシ
Uloma marseuli marseuli Nakane, 1956
2exs.
オオクチキムシ
Allecula fuliginosa Maklin, 1875
1ex.
キンボシハネカクシ
Ocypus weisei Harold, 1877
1ex.
チャイロシリホソハネカクシ
Tachyporus abdominalis Fabricius, 1781
1ex.
サビキコリ
Agrypnus binodulus binodulus (Motschulsky, 1861)
1ex.
アカシマサシガメ
Haematoloecha nigrorufa (Stal, 1866)
1ex.
オオホシカメムシ
Physopelta gutta (Burmeister, 1834)
1ex.

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