2021.05.04
この日は親の車を使わせてもらえることになりました。
自転車のみで学生生活をゴリ押してしまった私は、免許取得から4年経った今でも単独での運転経験は2回ほど(短距離)しかありません。
運転の練習も兼ねて、この日は朝から一人で少し遠くに採集に行ってみることにしました。
とにかく事故らず帰ることを目標にしよう……
1時間ほどの運転を経て、今回の目的地へ無事に到着。
時刻は8時前くらい。
さっと流したけどこれだけですごい達成感でした。
しかしこの後、狭くグネグネの山道とギリギリのすれ違いに恐怖することに……(笑)
今回訪れたのは埼玉県内の山地帯。
沢沿いをカラスアゲハやオナガアゲハが飛び交い、渓流をヤマメが、水面をオオアメンボが泳ぎ、ミソサザイとコマドリの鳴き声が響く……そんな環境です。
こんな環境は長野で過ごした学生時代では珍しくなかったかもしれませんが、実家周辺には全くありません(関東平野)。
しかし車があれば案外簡単に来ることができて……なんだか新鮮な気持ちです。
※県内山地帯の採集は、電車で来ると駅からめちゃくちゃ歩くことになりがちなので遠く思えるばかりでした。
沢沿いに続く道を車で登りながら、良さげな場所を見つけたら路肩に車を止めて歩き、虫を探していきます。
持ち歩く必要のない荷物は車に置いていけるし、つまらなそうな環境は飛ばして進めるし……何より全然疲れない。
これが、自動車の力なんだな……(笑)
いい虫や環境を見落とすリスクはあるけど……。
今日は朝早めに来たこともあってか、スウィーピングの成果はあんましでした。
ウツギ類の花が咲いていたので、とりあえずすくってみようと網を伸ばした時でした。
なんか、めっちゃデカい蚊が来てるような……?
待て、これは……!!
トワダオオカ
Toxorhynchites (Toxorhynchites) towadensis Matsumura, 1916
「トワダオオカだ!!」
日本の蚊の中では最も大型の種。小型のガガンボ位の大きさはあります。
身体は青や金色に輝く鱗毛に覆われていて、非常に美しい虫でもあります。
動物からの吸血はせず、花の蜜を吸って生きている良心的な子。
山地の森林に生息する虫で、幼虫は樹洞などにできる水溜りから発生するといいます。
いい環境で育った蚊だからこそ、こんなにも神々しい姿になるのだろうか……
スウィーピングの成果はイマイチなものの、やがて気温が上がってアゲハチョウ類が飛び始めました。
カラスアゲハ
Papilio dehaanii dehaanii C. Felder et R. Felder, 1864
埼玉県内ではまだ採ってなかったなと思い、カラスアゲハを一頭採集。綺麗です。
埼玉県内の山地帯採集なんてろくにやって来なかったので、採ってない虫なんか挙げればキリがないけど……
ミヤマカラスアゲハもいそうな環境だなと思ったけど、この日は確認できず。
もっと山奥の方がいいのかな?
スウィーピングの成果がイマイチなのか、ちゃんとスウィーピングやってなかったのかもはや覚えていないが……時刻は既に10時頃。
沢に近く、日当たりはよく、少し開けた__
“それらしい”環境に辿り着いたのでしばらくその場に留まってみた。
そこで自分の真横を弾丸のような速度で抜けていく昆虫をはっきりと確認した。
「あれか! あれだな!!」
よし、大丈夫だ。
まだ発生は終わっていない……!!
あれは間違いなく今日の本命……ムカシトンボでした。
ムカシトンボ。
私にとってその虫は因縁の相手なのです。
初めて挑んだのは今から7年前の2014年。
当時高校生だった私は、先輩虫屋さんの案内により産地を訪れ……その姿を見ることができました。
5月11日この日は五月唯一のOFF(テスト前を除く)です。今回は、ティーノさんと前から話をしていた、採集案内をしていただくことになりました。8時前、某駅に集合。今回ティーノさんが案内をして下さったのは、東京都内の…
確かに見ることはできた。でも採れなかった。
何度もあったチャンスを全く掴めなかった情けない私に、同行者さんは採集したムカシトンボを譲ってくださり……その時の個体は今も標本箱に。
色残しも整形もうまく出来なかった標本。
見る度に思い出す敗北の味……
それからさらに4年後の2018年。
奈良の親戚の家に帰った時、訪れた場所で偶然ムカシトンボに出会うことができました。
2018GW 奈良遠征2日目: チビタマムシしか採れなくてもいい…?
今年は去年と比べて明らかに忙しくなりました。授業は増えたし、夜回りとかやりだしたし…展翅展足と授業のなんやかんやに追われる日が続いて採集記を書く時間が…
この時もまた、飛翔する個体を何度も目撃するも毎度逃げられ……結局採集は叶いませんでした。
長野にいた4年の間に出会わなかったのかというと、
出会いませんでした(なんで?)。
長野県では各地で広く確認されている虫だったようなのですが、私が訪れた場所ではその姿を見ることは一度もなかったのでした。
そんなこんなで、初めての遭遇から7年が経った今でも未採集のまま……それがムカシトンボです。
どうしてこんなに採れないのか。
ムカシトンボの飛翔速度はそのサイズ感に反して素早く、姿を捉えた頃にはいつも網の届かない所にいる……そんな虫なのです。
居場所こそ分かっても物理的に採れないというタイプ。
つまり採集が下手なだけ……。
そんなムカシトンボと今年こそ決着をつけようと思い、訪れるポイントを考えていた4月。下旬に友人と訪れた場所でムカシトンボが普通に発生しているのを確認し、今回はその隣の沢に来ています。
前回多数見られた場所と同じポイントに行ってもいいけど、せっかくなので別の場所も見ておくことにしたのでした。
とりあえずこちらの沢にも生息していることが確認できましたが、しばらくすると飛来が止まってしまいました。
また別のポイントを目指して移動です。
少し開けた場所に来ました。
路肩には転回用の砂利スペースが広がっており、上空は開けています。
以前連れて行っていただいた都内のムカシトンボポイントも似たような感じだったので、この場所なら……!
車を降りると、車の真横をムカシトンボが通過。
その後もその場に張り続け、ムカシトンボの飛来を何度も目撃しました。
そんな中、オレンジ色の大型甲虫が飛来しました。
これ、アレだったりしないかな……
ネットインしてみる。
ハラグロオオテントウ
Callicaria superba (Mulsant, 1853)
「マジだ!!」
初採集のハラグロオオテントウです。
本種はカメノコテントウと並ぶ日本最大級のテントウムシで、クワの木につくクワキジラミを食べます。
クワキジラミは近所の河川敷にもいる虫ですが、さすがに近所にはいないか……?
※クワキジラミ。近所の河川敷にて。
さすがに大きいテントウムシなだけあって、飛んでいる姿だけでそれと分かるものですね……。
この日は別の場所でももう一頭採集できました。
その後もムカシトンボを待ち続け……
ようやく、『決めるならここだ!』というタイミングが来たのです。
振り抜いたネット。
ムカシトンボは……その外側に当たった。
…………。
惜しい!
あと少し……!
着実に近づいてきてはいる。採集成功は近いはずだ。
このままここで張り続けていれば、きっと……!
しかし、それを境にその場所でのムカシトンボの飛来は止まってしまいました。
時刻は11:30頃。摂食活動のピークタイムは12:00前後のようなので、時間がなくなることに焦りを感じ始めます。
このままここで粘っていて大丈夫か?
少し移動したらもっといい場所があるか?
前回多数見られた場所に行くべきか?
今の時期では場所を変えても同じなのか?
一体、どうすれば……
2021年、ムカシトンボに挑める機会は今回を逃すと終わってしまいます。
今年もまた、ダメなのか……?
踏ん切りがつかず、気づけばその場に呆然と立ち尽くしていました。
諦めの感情が強くなってきた時、どこか懐かしい声が脳内に響いてきたのでした。
『諦めんなよ……』
『お前昔を……』
ああ……。
そうだ。そうだよな。
迷っている場合ではない、自分を信じよう……!!
車に乗って山道を進み、一気に前回発見したポイントに移動します。
途中の環境は流し見る程度にとどめ、とにかく一刻も早くという気持ちで直行しました。
この場所で発生個体が確認できなければ、多分場所を変えても結果は同じだ。
頼む、居てくれ……!!
え、居ないんですが(唖然)
前回は頭上を3頭くらい一度に飛んでる場面を目撃できていたのですが、今日はどこにもその姿が見当たりません。
時刻は12時前。まさしくこの時間帯に活発に動いているはずなのだが……
あれなのか。
やっぱり発生ピークだった前回で採集できてない時点で、今年のムカシトンボチャレンジは終了したも同然だったのだろうか。
いや……前回は一人だったら粘ったけど、そうじゃなかったから……待たせるわけにもいかなかったし。仕方なかったんだ。
短時間でチャンスを掴めない自身の技術力の無さが招いた結果なのだ。
『お前昔を思い出せよ!!』
大体自分のせいだけど、一種の呪いのようなものになっています(汗)
でも分かる。自分に必要なのは分かるんだ…!
__自分にできる事はまだ何か残っているだろうか。
前回、ポイント周辺の路上でも飛翔するムカシトンボと出会っているので少し周りを歩いてみる事にしました。
さて歩くか、とポイントを離れたその瞬間!!
一頭のトンボが自分の真横を通り過ぎてポイントに入っていきました。
来た!!
それは紛れもなくムカシトンボ。
沢沿いの陽だまりを忙しく飛び回っていますが、その場を離れずに一定の範囲内で留まってくれています。
しかもかなり低空で摂食飛翔を行っているではないか!
これは絶対に決めなければ!!
もう同じ失敗はしたくない……。
身体中の全ての感覚を、ムカシトンボに注ぎ込むんだ!!
視覚だけで姿を捉えるのではなく、聴覚で風を切る微かな羽音を捉えることも…出来るかもしれない…いや出来る!
呼吸を整えて……意識を集中。
『一つの所に命かけてみろよお前!!』
一所懸命__そうか分かった!!
呼吸は深く、全身の感覚は研ぎ澄まされていく、ような気がする。
「よし__見えた!!」
「__聞こえた!!」
これが……『全集虫の呼吸』だ!!(?)
そしてついに、複雑に飛び回るムカシトンボの飛翔経路を追いかけられるようになったのを確かに感じたのでした。
後は網を振るタイミングを間違えずに、決着をつけるんだ……!!
近くに来た!
焦るな、距離が足りない!!
今度は後ろから来た!
今は動いてはダメだ、近すぎる!!
今正面、旋回してこちらに向かって来るか…
よし来た……
まだ…
あと少し…
「今っ!!!」
ずっと伏せていた網を思い切り、振り上げた___
網のど真ん中を貫く確かな手ごたえが、そこにあった。
昔を思い出せば……自分ならきっと、そんな感じの文章を書いたんじゃないだろうか。
まさか、現場の自分がそんなまるっきり全部文章と同じだったわけではない、ない……
やんないから、蜆の呼吸とかやんないから(笑)

ムカシトンボ
Epiophlebia superstes (Selys, 1889)
「よおおおおおっっしっ……!!!!!!」
よしよしよしよしよしよし……!!!!!
身体中の空気が全て抜けそうなくらい、込み上げる何かがありました。
ようやく自分の力でムカシトンボを採集することができました。ここまで本当に長かった。
原始的な形態を残しているトンボで、『生きた化石』と呼ばれる生物の一つでもあります。
本種の属するムカシトンボ亜目(ムカシトンボ科)は世界に日本とヒマラヤに各一種ずつが産するのみです。
樹林に囲まれた川の源流域で7年かけて成長する本種は、安定した河川環境の指標となる存在でもあります。
今ここにいるムカシトンボたちは、私が初めて本種に出会った7年前に誕生した個体……かもしれない。
ネットインするの、本当に難しかった……
毎年当たり前のようにムカシトンボ採集してるトンボ屋さん達ってすげえわ……。
せっかくなので追加を狙って近くを歩いてみることに。
沢沿いで林冠が比較的開けていて明るい場所。
前回はこういう場所でも……今日も飛んでいる!
よし、さっきと同じように、全sy……。
採れた……!
もう大丈夫。コツが掴めたような気がする。
※この他にも2回くらいチャンスがあったけど逃げられています(掴めてないですね)
こちらの個体は雌で、さっきの個体と合わせて1ペア揃ったからいいか。
色残しの方法も結局定まってないし、今回はこれくらいで十分だろう。
標本はこのような形になりました。
思ってたよりしっかり残ってくれました。複眼も灰色って分かるし、私的には満足です。
今回は複眼をシリカゲルに埋め、胴はアセトンに沈め、それぞれ5日間ほど放置して乾燥させました。
内臓抜きを初めて試みましたが破壊しかけたので諦めました。(普通に難しくないか……?)
色残しの話もまたいずれ書き直します……他の種で同じ方法使ったら普通に失敗したので、もう少しいろいろ考えてから。
今年はトンボ採集のモチベがあるから頑張る。
13時を回り、摂食飛翔のピークタイムも過ぎただろうか。
ムカシトンボの採集はこれで打ち切って、以降はこのポイントに来るまでにスルーした場所をじっくり見ていくことにしました。
トビサルハムシ
Trichochrysea japana (Motschulsky, 1858)
フェンスについていたトビサルハムシ。
クヌギなどをすくっていると時折得られる虫ですが、埼玉では初めて見たかも。
日当たりのいい場所を歩いているとヤシャブシを見つけました。
すくってみるとムネアカオオアリが入りました。
もしかするとヤツもいるかも。
枯れ枝を意識してさらにすくってみると……
ヨコヤマトラカミキリ
Epiclytus yokoyamai (Kano, 1933)
予想通り、ヨコヤマトラカミキリが得られました。
ヤシャブシは本種の寄主植物の一つです。
長野で採集済だけど狙い通り採れるとやっぱりうれしいです。
ミズキなどの花で採れるようですが私は花で得たことはなく、枯れ枝の多いヤシャブシをすくうのが狙いやすく感じます。多くは採れないけど……
見晴らしのいい場所がありました。
今晩はここでライトトラップをやろう!
暗くなるにはまだ時間があるので、周辺を少し歩きながら採集して時間をつぶします。
左:ヤツボシツツハムシ
Cryptocephalus peliopterus peliopterus Solsky, 1872
右:ハラグロノコギリゾウムシ
Ixalma nigriventris Kôno, 1937
その過程で得られた甲虫。
ハラグロノコギリゾウムシはフサザクラにつく格好いいゾウムシで、そこそこ網に入ってきたのでこの辺りでは比較的多いようでした。長野だと全然採れなかったが……。
(ヤツボシツツハムシは謎に草地に落ちてました。)
近くの開けた場所に来てみたものの特に面白そうな樹木もなく、ススキ草地をスウィーピングをしてもマダニが入るばかりでした。
そろそろ戻ろうか、その前に用を足していこう。(小)
……マダニ多いからあんまり茂みに入りたくない。
もうめちゃくちゃ開放的なところでいいや。人来ないでしょ。
少し斜面を下りて用を足している最中に気づいた……キマダラハナバチが足元を飛んでいることに。
網は斜面の上に置いてきてしまった。ここは毒瓶で良い感じに捕獲……できませんでした。
既採集のギンランキマハナっぽかったしいいか。訪花してたのはスミレのようでした。
ん? スミレ……?
タチツボスミレ……ではなさげ(ツボスミレらしい)。
葉の縁には何らかの食痕が見受けられますが、これもどうせ違うのだろう。
長野でも埼玉でもスミレ類を見かける度に意識して探してきた。
それでも未だに見つけられていない……クロチビタマムシという虫。
本種が発生している場所ではタチツボスミレの葉にもっとガッツリ食痕が残っているはず。
今日も道沿いに結構生えてたけど、やっぱり食痕なんてなかったし、どういう環境にいるのか……
辺りを見回すと、何株かタチツボスミレが生えていることに気づく。
ん??
あれ、これでは????
絶対そうだ、これだ……!!
いる。この場所、間違いなくいる!!
ただならぬ緊張を感じながら、スミレとその周囲を丁寧にみていく。
チビタマムシのシルエットを視界の隅に捉えるまで、そう時間はかからなかった……
「お前……!! お前は違うじゃん……」
マメチビタマムシ。
でも許そう。なんとなく許すわ。
何年もクロチビタマムシに振られ続けているので、このくらいで一々気を立てたりはしない……()
食痕はある。だが成虫の姿はみえない。
時期が遅かった? 夕方だから?
本気で諦めかけた時、見落としていたタチツボスミレを発見。
バリバリの食痕つき。
そんなタチツボスミレの葉裏から、茎をつたって根元に歩いていくチビタマムシがいた……!
「いた! これだ……!!!!」
確保しようとするも、根元に完全に潜ってしまい見失ってしまいました。
地面を掘ってでも見つけてやるからな。覚悟しろ……
土をかき分け、砂粒の中に紛れるゴマみたいなサイズの虫を血眼になって探します。
正直絶望的でしたが、やがて砂粒の中から現れた輝くそれはまさに黒いダイヤモンドに見えました……。
「ああ……間違いない」
クロチビタマムシ
Trachys pseudoscrobiculata Obenberger, 1940
感無量です。本当にありがとう……
自己採集のタマムシ科としては78種目。タマムシ大図鑑における珍品度は★★★★(少ない)。
地域的に多い場所もあるようですが、それでも決して全国的に普通とは言えなさそうな微妙な出会いにくさのある種、という印象です。
安堵できたところで、タチツボスミレの葉を改めてよく見てみました。
クロチビタマムシは幼虫もタチツボスミレの葉を食べる(潜葉)ので、やはり卵や幼虫の姿も複数確認できました。
複数の幼虫と卵がついていたタチツボスミレ一株を持ち帰り育てたところ、無事に羽化してきています。
(後日羽化した成虫)
と、そのような形で思いがけずクロチビタマムシとも決着をつけることができました。
そもそも開放的な場所で用を足そうとかいう謎の思考に至らなかったら、きっとこの出会いはなかった……奇跡でした。
クロチビタマムシ探しに没頭していたらちょうどいい時間になったので、戻ってライトトラップの準備へ。
夜の天気は晴れ。風は弱め。
少しだけ寒いけどライトトラップには悪くなさそうに思えました。
序盤1時間近く何も飛来しなかったのでダメかと思いましたが、20時頃から飛来が多くなり……結果的に多くの蛾を見ることができました。以下抜粋して紹介。
アカフヤガ
Diarsia pacifica Boursin, 1943
こちらは長野県で何度か目にしているものの採集していなかったモンヤガのひとつ。
綺麗な個体が来てくれたので採集していきました。全然見た目違うけど何故かあの蛾を思い出しました。
あれを見たのも確か去年の今日(みどりの日)だっただろうか……忘れることは到底できそうにない。でもきっと二度と出会えない。
かなり綺麗なキバラケンモンも飛来したので採集していきました。
現地ではキバラケンモンだと思っていたのですが本種にはよく似ている種がいて……。
ニセキバラケンモン
Trichosea ainu (Wileman, 1911)
本種がまさしくその一つニセキバラケンモンでした……(採っといて良かった)。
キタキバラケンモンも似ますが、得られる環境が違うのかな。
ニセは後翅の黒色部分が大きい点でキバラケンモンと見分けられます。
前翅にも違いがあり、赤線で囲った部分がポイント。
三角形が並んだような模様がありますが、キバラケンモンはこれらが黒い線でつながるようです。
こちらは以前長野で採集したキバラケンモン。
御覧の通り三角形が黒線でつながって、つながってるかこれ?
よく見ると微かに黒線が見える。
(標本見返したけどちゃんとキバラケンモンでした)
蛾類も見つつ、周囲のルッキングも軽く。
古くなった木製の柵にはゴミムシダマシが歩いていました。
左:ミツノゴミムシダマシ
Toxicum tricornutum Waterhouse, 1874
右:コツヤホソゴミムシダマシ
Menephilus lucens Marseul, 1876
どちらも普通にみられる種のようですが、この手のゴミダマはスウィーピングでは出会えなくて、コツヤホソゴミムシダマシは初見でした。
めちゃくちゃ今更ですが、先日ようやく日本産ゴミムシダマシ大図鑑を買いました。
もうスウィーピングでゴミダマが入っても怖くない……!
タカオケンモン
Craniophora harmandi (Poujade, 1898)
今晩一番の当たりはこのタカオケンモンでした。
通常の個体より全体的に暗くなる黒化型だったようで、教えていただくまで全然わかりませんでした。
(3頭飛来したが、全てこのタイプだった)
※2020年に長野県でライトに飛来したタカオケンモン(こちらは通常型)
ライトトラップは21:30頃に終了。
エゾヨツメとかイボタガの飛来に若干の期待をしていましたが、来ませんでした……。
イボタガは飛来時間遅いみたいから、粘ってもよかったが…...夜の山道運転(もちろん今日が初めて)が怖いので、元気なうちに引き上げよう。
夜景がきれいに見える場所もあったので、写真を撮っていく。
静かだぁああ……いや、静かだ。
夜はフクロウの鳴き声が聞こえていましたが、今は静穏。
車も通らず、街の音も聞こえず、風も弱く、沢の音も聞こえない……かなり無音に近い環境でした。
発電機使ったライトトラップだと、切った後の静穏さにすごく驚かされるというか、気が狂いそうになるというか……。
今回はポータブル電源なので終始静かなライトトラップでしたが、去年も今と似たような気持ちになっていたことを思い出しました。
その後の運転では事故もなく、無事に帰宅できました。
こんなのは本来、当たり前のことなんですけどね……(笑)
そんなわけで、この日は運転して遠くに行くことも含め、前々から真剣に挑みたかったこと、虫と決着をつけることができました。
ここで終わりではない.
まだまだシーズンが続く限り、動く気力が残っている限り……やれることをやっていきます!



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