2022.05.28
今日は親の車を借りて採集には行ける……けど。
ここ最近は出張続きでだいぶ疲れが溜まっていたので、無理のない範囲で出掛けることにしました。
今日は去年も訪れた中流域の川にやってきました。
あの日↓採り損ねてしまった虫に、再び出会うために……
2021.05.30さて、どうするよ今日。今日は親の車を借りられる日だけど……天気は夕方で崩れるようです。本来はホソツツタマムシの生息環境を掴むために、過去の記録を参考にもう少し上流側の河川敷に行く予定でしたが………
川に入ると早速トンボの姿がありました。
前回はここでは特に何もみられなかったけど……
アオハダトンボ
Calopteryx japonica Selys, 1869
目が覚めるような金緑色のギラギラ。
去年より少し早い時期に来ていますが、もう結構な数が活動していました。
今年はcoolpix p950(鳥用カメラ)があるので、そちらでトンボの写真も撮ってみました。
少なくともコンデジ(TG-4)よりは警戒されずに生態写真が撮れるので結構楽しいことに気づく。
気が済むまで写真撮って、採集も2♂ほどに止める。
今回は前回の反省を活かして水物用の網を持ってきました。
近距離のトンボ採集ならナイロンネット長竿とは別格の扱いやすさ。
たまに飛んでくるコヤマトンボも楽々採れました(今回はスルー)。
去年は水際中心に歩いたため気づかなかったのですが、林沿いには水溜りがありました。
ハラビロトンボ 成熟雄
Lyriothemis pachygastra (Selys, 1878)
ハラビロトンボ 未熟雄
Lyriothemis pachygastra (Selys, 1878)
この場所ではハラビロトンボが何頭かみられました。
埼玉県内では初見。県RDB(2018)では準絶滅危惧(NT2)に入っていて、低地ではかなり減っているよう。
河原を歩いていると、対岸に三脚を立てて座っている人を発見。どうやら鳥屋さんのようです。目的地に向かうにはどこを歩いても観察の邪魔になってしまう、ごめんなさい……
帰り道で同じ場所を通った時、その人は既に居なくなっていました。
見てたのは多分これだ。
イカルチドリ
Charadrius placidus Gray & Gray, 1863
よく見るコチドリよりクチバシがほんの少し長い。(この個体あんま長くない……)
黄色いアイリングは細くコチドリほど目立ちません。
鳥屋さん見つけるまで全部コチドリだと思ってたけどそういえば、イカルチドリはこういう石の多い河原で繁殖するんだったっけ。
この河原は藪漕ぎめっちゃするか、水の中歩くかでしか辿り着けない環境なので、格好の繁殖地だったのでしょう。
歩いた範囲に巣があったのかも知れないけど、踏まないように気を付けて足元見てても全然わかんなかった……。
今日の目的地へ。
去年はここで今日の目標__アオサナエに出会っていますが、逃げられてしまいました。
今日は前日に雨が降っていたので、去年よりも少し水位が上がっている感じがします。
これは長靴だと厳しいかも……?
(数分後)
まっ そんなのもう関係ないですけどね!(水没)
以降水深を気にしなくて良くなったのでより自由に動けました……
30分ほどこのポイントで待ちましたが……アオサナエが現れることはなく無念の撤退。
ここ、確かに生息環境のイメージとは若干違っていたので去年のは偶々見れただけだったのかも。
今日はもう一つ、去年は訪れてない候補地があるのでそちらに賭けようと思います。
帰りにアオハダトンボの雌を発見。翅の白斑が目立ちます。
これも昨年は採り損ねてしまったので今年こそは……!
しばらく様子を伺っていると、やってきた♂と交尾するシーンが見れました。
ペア個体の方が警戒されにくいので接近して写真撮りまくりました。
(の割になんか微妙な角度の写真しかなかった)
撮影に夢中になってたら何回か逃げられたけど、雌も複数個体いたため今年は無事に採集できました。
オオタカ
Accipiter gentilis fujiyamae (Swann & Hartert, 1923)
このポイント、確か去年もオオタカを見た気がするのですが今年も同じ辺りで旋回する個体を何度か見かけました。
林には入ってないけど、林内から警戒声も確認。なんだかここで繁殖してそうな雰囲気です。
写真、設定の調整頑張れば上手く撮れると思うのですが私にはまだ難しかった(P950の短所:オートフォーカスでは飛び物が追えない)。
―移動―
先ほどまでいた場所よりもさらに上流の河川敷に来ました。
航空写真で見る感じ、河原やそこへのアクセスもしっかりありそうだったので有望です。
河原に行き着く前に草地を通りました。
シナダレスズメガヤが結構生えていて、クロケシタマムシとかにも良さそうな環境です。
(普通の網は車に置いていたので今回スウィーピングはせず)
そんな事を思いながら眺めていたシナダレスズメガヤの茎に、見覚えのある虫が止まっている……!
キバネツノトンボ
Libelloides ramburi (McLachlan, 1875)
久しぶりだな……。
長野県では河川敷や耕作地周辺の堤防草地、伐採地など色々な場所でみかけたキバネツノトンボですが、埼玉県では初遭遇です。
それもそのはず……本県のRDB(2018)では絶滅危惧ⅠA類に指定されていて、分布がかなり限られると言われている虫です。
本種がいそうな環境、中流域の河川敷には結構いっぱいあるような気もするんですけどね。
この地域だと発生時期も終盤になるのか……? 見つかったのはこの1頭だけでした(だいぶ老熟した個体でした)。
本題の川へ。
本流から分かれた浅く小規模な流れには、水面から石が突き出している場所が点々とある。
そう、こんな環境でよかったはずだ。
こちらにもアオハダトンボは大量にいました。最初からこっちに来るべきだったかも?
サシバ
Butastur indicus (Gmelin, 1788)
こちらではサシバも見られました。
なんかもう飽きるほど見てるような気がするけど、プライベート探索では初見だったので少しうれしかったです。
今日は車での移動中にオオタカが飛んでたり、山の方でノスリが鳴いてたり……やたらと猛禽類に会う日でした。
サナエトンボの周辺からの飛び出しを警戒しながら川の中を歩いていきます。
……特に何もなく、一往復を終える。
いなくない……??
この環境でもいないのか!?
本流の方の浅瀬も探してみましたが、アオハダトンボのみ。
今年もダメかも知れないと思い始め、小川に戻る。
その時突然、堤防の方から今自分がいる小川に降りてくるトンボの姿が見えました。
私の真横を通過し、小川の奥へ消失。
今のがそれなのかもしれない。
逃げられたか……? いや違う。
あれが本命なら、近くの水面から突き出た石に止まっている可能性が高い___!!
思った通りで、少し奥にある石の上に止まっているトンボの姿が見えます。
双眼鏡で確認……紛れもなく探していた虫でした。
せっかくなのでギリギリまで近づいて写真を撮ってみます。

アオサナエ
Nihonogomphus viridis Oguma, 1926
父親が持っていて昔よく読ませてもらっていた「トンボのすべて」という図鑑の表紙を飾っていたのが本種、アオサナエでした。(「トンボのすべて」は今は譲り受けて私が持っている)
写真のように石の上にアオサナエが止まる環境が日本のどこかにあるはずと……幼い頃からの憧れていた虫の一つでした。
しかし、生息する環境が分からず昨年まで出会えていませんでした。
※現在は新版(右)が出ています。
中古300円かよ……(笑)
新版読んだことないですが、生態写真や環境写真が豊富で、各環境ごとにみられる種をまとめて紹介してくれているので特定の種の探し方を学んだり、環境をヒントにして種を調べるのに役立ちます。
そんなアオサナエに初めて出会ったのは、去年仕事で訪れた現場でした。
湧き水を起源とするきれいな砂質の小川、という感じの場所で複数の個体が川岸や水面から突き出た石に止まっている姿を見ることが出来ました。
そこでようやく環境がピンと来たので、同じ年に中流域の河川に向かい……(敗北)
そして今年の再挑戦に至ります。
ひとまず今日自力でちゃんと出会えて良かった。
あとは……捕獲できるかどうかだ。
写真撮ったり距離を詰めたりしている内に何度か飛ばれましたが、すぐに近くの石に止まってくれるのでありがたい。
しかし、網を振り下ろすときに失敗したら流石に逃げられてしまいそう。
この1頭を逃すと、また来年という可能性も……
過剰なほどに慎重に、確実にいける距離まで詰めて網を振り下ろします。
石ごと覆いかぶせる感じで!!
「よし、OK!!」
美しい……無事に採集できました。
思いのほか老熟感のある個体でした。この辺だといつから出始めるんだろ……?
黒地に黄色い模様が基本である日本のサナエトンボの仲間で、アオサナエは最も緑色になる種です。
サナエトンボの仲間は全体的に色残しは難しく、本種もまた模様の緑色が褪せてしまいがちです。
(複眼は言うまでもなく)
こちらは昨年の仕事で採集した個体(自己採だけどノーカンにした)。
個人的にはまだ許せるレベルですが、それでも生時には遠く及びません。
そして、こちらがこの日の採集個体を標本にしたものです。
去年よりうまく……どっこいどっこいですね(笑)
この後もしばらく付近を歩いてアオサナエを探しましたが、現れず終了。
この時点で時刻は15:00位。今日はライトトラップまでやるつもりはないけど、まだ何か出来るだろうか?
ー適当に移動ー
少し山の方に移動してみると、伐採地がありました。
つい最近伐採されたばかりの様子。樹種はコナラやクリ、サクラ類などでした。
時間は既に16:00を回っていましたが、少なからず伐採木に虫が来ていました。
クロナガタマムシ
Agrilus cyaneoniger E. Saunders, 1873
ここではようやく埼玉県産のクロナガタマムシに出会えました。
平野部にはあんまりいないのか、近所では一度もみれていませんでした。
コナラなどの切り株によく集まっていて、いずれも前胸の赤いタイプでした。
他はホソアシナガタマムシが多くみられました。
ちょっと期待したけど、ムツボシタマムシなどはおらず。その代わり___
少し移動したところで、さらに大きな伐採地がありました。
これは色々な意味で再訪しなきゃダメだ……(7月現在、まだ行けてない)
時刻は17:00を過ぎており、流石に伐採木にナガタマムシの姿はありません。
ここには大きなホオノキの倒木があり、よくみると僅かな葉に直線状の食痕があるように見えました。
(写真撮ってなかった)
時間帯的には今くらいの方が可能性あるか? と思いながら周辺を見て回ると……
緑色に輝くカミキリがいました。ハンノアオとは……模様が違う!
フチグロヤツボシカミキリ
Pareutetrapha eximia (Bates, 1884)
これだ! フチヤツだ!!
長らく縁が無かったフチグロヤツボシカミキリと遂に出会えました。
網とか持たずに手ぶらで散策していたので、葉上の個体を素手キャッチ。勢い余って触角は折れた……
近くに食痕のある生木もあったので網を持ってきてスウィーピングしてみましたが、追加は無しでした。
さすがに暗くなり、今日の採集はここまで。
やっぱりライトトラップやる元気はなかったので、そのまま帰宅しました。
ということで今回、無事に目標のアオサナエを採集できて、去年の雪辱を晴らすことができました。
しかし幼い頃からのトンボ的な目標はまだ少なくとも一つ残っている。
この調子で今年こそは採れるだろうか……
コバルトブルーの彼を。
と、思いを馳せていた当時を振り返る___
今のペースで更新してたら、この回の話をするのはまだ何ヶ月か先になりそうですね(笑)
これは絶対に書きます。


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