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気づきを得た日
2022.07.13泊まったホテルに門限があり、朝6時まで出られなかったので6:00ジャストを狙ってチェックアウト。目的の山へ向かいます。3日目になる今日からは新潟県での採集となります。目標は現在までに新潟県でし…
本記事はこの記事の続きです。
2022.07.14
日の出と共に起床、というか目が覚めました。
……あんまり引きずってなさそうだ。もう動けるかな。
初日の車中泊は何度も夜中に目が覚めた気がしますが、この夜は周りも静かで車も通らず、よく眠れた気がします。
昨日すごい嫌な気分だった気がするけど、もうそんな気もなくなっていた。やはり睡眠は全てを解決する。
(昨晩の話をちゃんと書くかは未定)
4日に渡る遠征は今日が最終日。
天気が昼過ぎから崩れる予報だったので、それまでは移動を繰り返しながら気の向くままに採集することに。
ゆっくり準備して、採集開始します。
サンショウクイ(幼鳥)がいた。何気にしっかり見れたのはこの日が初めて。
最終日に訪れたエリアは全体的にこのトネリコが多く生えていました。
樹高20m以上あったんじゃないだろうか、かなり大きいけどアオダモでいいんだよな……?
ワモンナガハムシ
Zeugophora annulata (Baly, 1873)
そんなトネリコの仲間のスウィーピングでタマムシが落ちることはなく、代わりに多数(10数頭くらい)のワモンナガハムシは入りました。
寄主植物はニシキギ科(マユミ、ニシキギなど)が知られますがトネリコの仲間も食べるのか……?
あ、サワシバ
ダイミョウナガタマムシ
Agrilus daimio Obenberger, 1936
1頭だけ採れました。
まあ、そうだよね……
池発見。あんまり水はきれいそうに見えないが……
待てよ、何か泳いでるような……
もしかして!!
オオミズスマシ
Dineutus orientalis Modder, 1776
初採集のオオミズスマシでした。
2021年にも一度出会っていたのですが、水昆用の網を持っていなかったため逃げられてしまい……それ以来でした。
(あれ以降、金魚網を常備するようになった)
あの時もそうだけど、案外汚そうな止水域にいるものなんだな。偶々か?
なお、この遠征では荷物に余裕あったので普通に折りたたみの水網↓持ってきてました。これで1発。
これは大丈夫ですが、この手の水網は目の粗いものが多いので買う時はよく見極める必要があります。(商品説明に書いてなかったりする)
耐久力はお察しで、植物に押し当ててまともにガサガサなどやろうものなら1日で壊れます。
川とかで軽く水昆を探す時とか、水辺でトンボを採りたい時とかでは役に立つのでリュックにねじ込めるこのサイズのものを好んで使っています。
ここにいたのは全てオオミズスマシでしたが、何頭も群れて泳いでいる光景がみられました。
水際にはオオイトトンボ/Paracercion sieboldii (Selys, 1876)が。大きめで綺麗なイトトンボです。
キスジアシナガゾウムシ
Merus flavosignatus (Roelofs, 1875)
珍しくはないのだろうけど個人的には人生2頭目のキスジアシナガゾウムシ。
アザミなどキク科草本の茎に幼虫は入るようです。草本食だったのか。
草原でスウィーピングしてたらいつの間にか網に入ってボロボロになっていたコキマダラセセリ? 逃がした。
ヤマナラシかな?
まあなんか採れるかも、とスウィーピングしてみると……
「マジで!?」
網の底にはチビタマムシの姿。こんなのアレしかいない。
(ちなみに隣に写っている糞みたいなやつはムシクソハムシの仲間の幼虫。自分の糞を殻にして身を守ります。)
通常はしっかり模様を見なければまず同定できないのがチビタマムシの仲間ですが……この時は瞬時に何なのか分かりました。
何故ならそれは、他種より明らかに……大きい!

シナノキチビタマムシ
Trachys aurifluus Solsky, 1875
「ついに来たか……うれしい!」
日本産チビタマムシ最大の種……シナノキチビタマムシです。
一般的な国産チビタマムシ他種のサイズは3mm程度ですが本種は5mmに達することもあり、小ぶりの個体でなければ一見してその風格を感じられる虫です。
時期的に終盤で、かなり擦れて模様が消失している。
タマムシハンドブックにおける本種の珍品度は★★★★(見つけたら採集の熟練者)、寄主植物(シナノキ、オオバボダイジュ)の関係で分布が日本海側や東北地方の寒冷地に偏り気味(北海道には非分布)で、関東民にとっては得難い虫です。
埼玉県からも記録はありますが……なかなか険しい環境みたいでした(辿り着けなった)。

タマムシ採集を極める石川遠征_2日目: 足りないものは。
2017.07.09(2日目)帰るのはこの日の夕方。当然、それまでは採集をする事になりました。エサキキンヘリをなんとか昨日採集出来たので、この日は色々な種類のタマムシが採れるという…
以前、案内してもらって本種が採れる場所に連れていっていただいたこともありましたが……その時は私には採れず。
この石川県の回で”採らせてもらった”タマムシは後に全て自力採集を果たしていますが、本種だけは最後まで採れていなかった正しく因縁の相手でした。あれから5年も経ったんだな。
今回、比較的得られているイメージのある日本海側に来たのであわよくば……という気持ちはありましたが、シナノキなんてなかったので諦めていました。
よく見たら一緒にシンリョクナガタマムシ/Agrilus viridis (Linnaeus, 1758)も入っていた。
___今掬ったのって、ほんとにヤマナラシだったか?
「あれ?」
オオバボダイジュかこれ!!
そうか、これがオオバボダイジュ……。
今までオオバボダイジュだと思ってた樹木はただのボダイジュだったんだな。葉の大きさが全く違うじゃん……(笑)
改めて見ると、なんでヤマナラシと見間違うのか不思議なくらいだ……
これならシナノキチビタマムシが採れるのも納得なのですが、なんだろう……なんか、ちゃんと狙って採れた感じがしない。
スッキリとした気持ちで決着をつけるには、やはり埼玉県産を狙うしかないのか!
こうして秋に既知の産地を見に行ったのですが、前述の通り産地はガチ登山が求められる感じの環境で……長靴しか持っていかなかったので到達すら出来ませんでした。山ナメてました。
すごい立派なトネリコ類(アオダモ……なの?)の木。
アオナガはこんな木に来るのだろうか……
樹洞をよく見るとトゲアリ/Polyrhachis lamellidens Smith, 1874が営巣してました。
※環境省RL(2020)でVU。本州~九州に分布。
時期的にトゲアリを寄主とする黄金のアブが発生していたかもしれませんが、ここでは見つからず。
自然度の高い林にいるような写真が続きましたが、周りに生えてるのコナラとかなんですよね(笑)
だからトネリコ類からナガタマが採れるような気配が全くしません。……いるかも知れないけど。
しかし何となく掬ったこのコナラで久々のあの虫が。
クリタマムシ
Toxoscelus auriceps auriceps (E. Saunders, 1874)
こんどは真クリタマムシでした。クリはもちろん、コナラやシラカシ、スダジイなど様々なブナ科につくことが知られます。
低地にもいるはずの虫ですが中々縁がなく(というかスウィーピングが足りないんだと思う)、これで人生3個体目です。
ちなみにここではホソクリタマムシのポイントに見られたような枯葉の痕跡はなく、得られたのもこの1頭のみでした。
もうそろそろタイムリミットが迫ってきました。
茂みの奥に隠されるように存在していた水たまりを発見。ここはガサらねば
ガサガサしてみると、見たことない生物が入りました。
なにこれ
もしかして……これサンショウウオ?
どうやらクロサンショウウオのようです。環境省RL(2020)では準絶滅危惧(NT)。
日本海側を中心に東北~北陸に広くみられし、佐渡島にも分布します。アケビ状の卵も特徴的ですね。
幼生にはバランサーのある止水性で、森林内や周辺の湿地や水たまり、池沼で発生。2022年は頑張ってこの辺を覚えたのを思い出します(=どんどん忘れていく……)
今思えば、確かにそんな雰囲気のある止水域でしたね。大量の幼体が入りました。
私のサンショウウオ歴は、学生時代に先輩とツチイロキリガ採りに行った時に見たハコネサンショウウオが(趣味的なフィールドワークでは)唯一だったので、ここではパッと見て気づけませんでした……(情けねえ)
写真撮り忘れましたが、昆虫の方はオオヒメゲンゴロウが採れました。
普段のヒメゲンゴロウと雰囲気が違ったので持って帰っておいて良かったです(初見)。
また、この水たまりにはタカネトンボのようなトンボも飛んでいました。
なんてことない……こんなもの。
マルタンヤンマに比べれば___
バシャアアアア
「余裕っスね」
(網ごと水没させながら)
というかなんだこれ、さっきから飛んでるのとはまた別の種みたいだが……
ヤブヤンマ
Polycanthagyna melanictera Selys, 1883
恥ずかしながら初めて見たもので現地では分かりませんでした(生きてるヤブヤンマ♂の目はこんなに明るい水色なのか……)
名前の通り、藪の中にあるような少し薄暗い止水域を好むヤンマですね。
本種もマルタンヤンマと同じ黄昏ヤンマの1種、家の近所にもきっといるはずです。
(近くで飛んでいたコヤマトンボ。結局タカネトンボは居なくなってしまった。)
時刻は丁度12:00頃。水辺を離れて少し休憩。
軽く雨が降ってきました。そろそろ限界か……
車の中で飯食ってたらすぐ近くに下りてきたオオルリ。
天気の回復を見計らって山を降りつつ、最後のスウィーピング。
オオバボダイジュがたくさん生えていたので掬いましたが、シンリョクナガタマムシの追加が得られたのみでした。
ムナブトヒメスカシバ
Entrichella constricta (Butler, 1878)
林縁のスウィーピングで初見のスカシバガが採れました。寄主はノイバラなどのバラ科のようです。
擦れやすさに定評のあるスカシバガ科ですが、この時はかなり綺麗な状態で網に入っていてありがたかったです。
これが今日最後の成果でした。
時刻は13:30頃。
今日見たかった場所を一通り見終えたところで採集を終え、帰路につきました。
(帰りの高速道路も凄まじい豪雨でした……)
この4日間の遠征では大きな目標とした虫には出会えませんでしたが、初採集のタマムシは3種追加し、関東では得難かったり分布しないような虫や生き物が見れて結果としては「来てよかったな」と思えたものだったと思います。
何かハッキリした感想が書けないのは、現地で精神的に重いものを引っかけて帰ってしまったからで……
全く同じ場所に再挑戦する機会があるかどうか分かりませんが……何か大きな目標をちゃんと立てて遠方に出る採集はこれからもっと増やしていきたいと思っています。
目標がちゃんと立つかどうか、それが全てですね……

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