いつもは基本年一回、夏のみ奈良に帰っていたのですが(2017年は例外)、今年の春も奈良に帰ることになりました。
2017年の春も帰りましたが(→記事)、帰省のついでで行える範囲内となるとこの時期は中々厳しいものがあります…
今回は前回より日数も1日多く、採集に回せる時間も多かったので色々考えて足搔けるだけ足掻いてみました。
2017.03.02
昼過ぎ頃に奈良の方に着き、父親と合流して車に乗せてもらい本日の目的地へ。
なんやかんやで到着したのは16時過ぎ位になってしまい、日没まで残り時間も少ない(汗)
(急いでたので環境写真は撮り忘れました)
訪れた場所は2017年の夏にも訪れた山(→採集記)です。
ここでの目標はオオムツボシタマムシ。
オオムツボシタマムシはこの時期、寄主植物のクヌギやアカガシの材を割ることで材内で羽化した新成虫を得ることができるようです。
生息しているのかどうかはっきりとは分かりませんが、この山にはナラ枯れの被害を受けて枯れたクヌギや切られた太いクヌギの材が多く存在しており狙うにはかなり都合が良さそうだと思っていました。
まずは脱出孔を探してみましたが、全く見つからず(汗)
それでも念のため片っ端からクヌギの材を割っていきます…
かなり朽ちたボロボロのクヌギ材を割って見ると、たくさんの甲虫が出てきました。

フタモンウバタマコメツキ
Paracalais larvatus pini (Lewis, 1894)
まずは大きなフタモンウバタマコメツキが次々と出てきて驚きました(汗)
マツ類の枯れ木に入るなんて情報も出てくるのですが、この虫が出た木は確かクヌギだったと思う…
ウバタマコメツキみたいに”羽化したて”の感じがしなくて、なんだかものすごく適当に材の中に潜り込んでいるような感じがしました。
そしてフタモンウバタマコメツキより多かったのが…

ホソコハナムグリ
Glycyphana gracilis viridis Sawada, 1942
最初は完全にコアオハナムグリだと思っていたのですが、何となく図鑑を眺めていたらホソコハナムグリを見つけて今回初めてその存在を知りました。
近畿以西に分布するハナムグリの仲間のようです。
あんまり冬場にコアオハナムグリに出会う事が無くて新鮮だったので、何となく1頭だけ採ってきただけでしたが…もちろん初採集。ラッキーでした。
さらに材の中から、

フトヒメツノゴミムシダマシ
Toxicum morii (Masumoto et Akita, 2008)
最近までヒメツノゴミムシダマシだと思っていた虫がミツノゴミムシダマシだと判明して…それと比べると明らかに小さかったので、「これがヒメツノゴミムシダマシか!」と思ったのですが…また別の種のようです。
フトヒメツノゴミムシダマシは基本的に珍しい虫のようですが、京都ではナラ枯れによってできた立ち枯れに生えたカワラタケに付く個体が多数採集されているようです。
奈良のこの山でもナラ枯れによって枯れた後カワラタケが生えた木がいくつか存在するのでもしかするとここでも普通に見られるようになっているのかもしれません。
その後も材割りを続けましたが、結局手がかりは得られず。

タマムシらしき脱出孔が一つ見つかりましたが、大きさ的にオオムツボシではなさそうでした。
近くでオサムシの出そうな非常に良い感じの崖があったので掘ったりしてみたのですが…幼虫しか出せなかった(汗)

あっという間に薄暗くなってくるし…もうどうしようもない。
そう思い始めた時、ある木の枯れた部分に多数の脱出孔が開いているのが目に付きました。

枯れた部分を叩き落としてみると、何だか見覚えのある脱出孔が開いていました。
ナタで削っていくと…アオマダラタマムシのパーツが出てきました。
さすがに材が古すぎて生体を出す事は出来ませんでしたが、この山にもアオマダラタマムシが生息しているという事が分かりました。

ちなみにこれがアオマダラタマムシの寄主となっていた木なのですが…どう見てもソヨゴではない(汗)
葉っぱが全然ソヨソヨしていない…なんだこれは。とか思っていたら同種と思われる別の木の近くに看板が立ってました。
ナナミノキ(モチノキ科)
どうやらこの山のアオマダラタマムシはナナミノキを寄主植物として利用しているようです。
大図鑑にはナナミノキは記されていませんでしたが、アオマダラの寄主植物の幅広さはなんとなく分かるのでモチノキ科ってだけで納得してしまいました(笑)
この後もナナミノキの材を探してみたのですが暗くなってしまい本日はここで終了という事に。
結局オオムツボシにつながる手がかりは一切得られませんでしたが、アオマダラが生息していることを確認できたし、伐採木の多い場所も記憶できたので、夏場にまた来れたら良いなと思います。
この日の夜に北部の実家を出て、南部の山奥にある父の実家へ向かいました。
今回は大半の道を私が運転させてもらったのですが…色んな意味で中々キツかった(笑)
【結果】 ※色付きは自己初採集
ホソコハナムグリ
Glycyphana gracilis viridis Sawada, 1942
1ex.
フトヒメツノゴミムシダマシ
Toxicum morii (Masumoto et Akita, 2008)
1ex.
フタモンウバタマコメツキ
Paracalais larvatus pini (Lewis, 1894)
2exs.

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