今年、東京都の上野にある国立科学博物館では「昆虫 MANIAC」という特別展が行われています。(7/13(土)~10/14(月・祝))
2018年に行われた特別展「昆虫」に続く内容ということで、今回はよりマニアックな内容になっていました。

会場内では基本的に自由に写真撮影ができる
今回の記事では、筆者が実際に特別展をまわってみての感想をまとめました。
行こうか迷っている方の参考になれば幸いです。
また、行かないけどどんな感じなのか知りたい方向けにも書いています。
3つのゾーンからなる特別展
「昆虫とムシ」で展示の対象について知ろう
「多様なムシ」のマニアックさを体感しよう
「ムシと人」とのつながりの中で
昆虫 MANIACのグッズ
企画展「高山植物」もオススメ!
お盆は混雑が予想されます
まとめ:MANIACの中にある面白さを見てほしい
3つのゾーンからなる特別展
今回の特別展は、大きく以下の3つのゾーンに分かれています。
- 昆虫とムシ
- 多様なムシ
- ムシと人
本記事もこの流れに沿って書いていきます。
「昆虫とムシ」で展示の対象について知ろう
最初のゾーン「昆虫とムシ」では、この特別展で主対象となる「ムシ」がどんな生物であるかを確認します。
しっかりと定義づけていました
「昆虫」だけではなくクモやムカデなども広く含めた「ムシ」がこの特別展の対象です。
したがってこれ以降のゾーンの主題では「多様なムシ」「ムシと人」のように「ムシ」という単語が使われています。
定義を確認したあと、まず最初に身近なムシを取り上げてマニアックな一面を解説しています。
スマホで撮影しやすいサイズ感にまとめてくれてるのかな とか考えちゃう
MANIACっていうからマジで初心者には全く分からないムシの紹介に終始するのかなと思ったらそんなことはなくて、ちゃんと初心者でも入っていきやすいように身近な生き物から始めているんですね。
私は身近なムシのことをある程度知った気になっていたけど、このゾーンに限らずマニアック解説の内容はほとんど初耳で「マジかよ!昆虫スゴイぜ!」の連続でした(笑)
「多様なムシ」のマニアックさを体感しよう
続いて2つめの「多様なムシ」ゾーンに入ります。ここが最も大きなゾーンで、5つの「扉」に分かれたコーナーを渡り歩けます。
5つの扉と3種のキーワードを覚えて先へ進む
トンボの扉にはセミやバッタ、カブトムシの扉にはオサムシやタマムシなど、それぞれの扉には関連するグループのムシも展示されていました。
それぞれの扉には巨大なムシの模型が
真ん中が大きな通路になっていて、その両サイドに扉があるような構造です。
展示を行き来できるし、苦手な分野はスキップして進むこともできるようになっています。
個人的にうれしかった「クモの扉」
最近になってクモを勉強し始めたので、この扉はありがたかったですね。
しかし、標本を見るより現地で実物を見る経験をもっと積む必要がありそうだ……
七大珍種のひとつ、ツシマトリノフンダマシ
3種のキーワードのことは後半になるにつれ忘れる(笑)
ジュウシシチネンゼミとかジュウサンネンゼミって1種ずつじゃないんですよね……
今年が221年に一度の大発生となった、素数ゼミのコーナーもありました。
17年ゼミが3種、13年ゼミが4種いるそうです。
アミメアリは真社会性昆虫ではなかったんだ!?(ふつうに知らなかった)
アミメアリの巣ではみんなで卵を産んでみんなで幼虫を育てるというスタイルなんだそう。
しかも単為生殖。だからあんなに大規模な集団ができるんですね。
これがカエルキンバエか……!
標本のラベルは「Special Exhibition INSECT」(特別展昆虫)の文字が。
既存のラベルに上から貼っているのか?
ラベルの体裁とか気になっちゃうのは虫屋あるあるだと思います。
うんうん、デカいラベルが折られているな……!(謎確認)
三角台紙の標本は縦向きにするんだ……?
私はムシの向きに合わせて横向きに並べています。
箱の保管方法(置き方)によって変えてもいいかも。好みの問題かなあ……
この形は特別展「昆虫」でも見た気がする。何か変わっているのかな?
それぞれの扉には音を聞いたりにおいを嗅いだりする体験コーナーがあります。
なんとなく眺めるよりも実際に体感するコーナーは強く記憶に残りますね。
素数ゼミの大合唱体験コーナー。ゲーセンかと思うくらいうるさかった。
嗅ぎそびれた
これは種名も含めて自信をもって答えられました。
むしろ隣のやつが種名までは分かんなかったです(恥だ……)。
冬尺蛾(エダシャク亜科)の箱
前の特別展「昆虫」の時は「海外の虫ばっかりだ……」っていう印象をもった記憶があるのですが、今回は日本のムシが多くてちょっと嬉しかったです。
甲虫マニアのためのコーナーだ、ありがたい
特別展「昆虫」の時は高い位置にありすぎて標本箱が全然見えない……! ということもありましたが、今回は良心的な高さに収まっていました。
不格好でもこういう国産甲虫箱が好き
そういえば日本のタマムシは(ヤマト)タマムシだけだった気がする(不服)
「ムシと人」とのつながりの中で
3つ目のゾーンは「ムシと人」です。
人の暮らしとともに見つかる虫、いなくなる虫など……人の活動と絡めてムシを見ていくゾーンですね。
自分にとって、誰かにとってムシがどんな存在かを考えます
小笠原の固有種、オガサワラシジミ
オガサワラシジミは2018年を最後に野生下では確認されておらず、2020年を最後に生息域外で繁殖されていた個体が死亡。もう生きている姿を見ることは厳しそうなチョウです。
そして、昨年話題になったモトナリヒメコバネナガハネカクシの展示も。
テレビ番組のロケで発見されたシーンの映像も流れていました
一般的な感覚で見れば地味なハネカクシではあるのですが、アンガールズの山根さんにとって特別な昆虫になっているに違いありません。
展示の最後に、監修者の方々によるコメントがありました。
一部がX(Twitter)で話題になっていたやつですね……
ムシ好きならよく聞かれる質問です
「あんな生き物を喜んで収集したり、写真を撮っている人を見ると不思議で仕方がないです」
左側の清拓哉さんのこのコメントが「そこまで言うのかよ」と話題になっていました。
実際はそこまで言うほど嫌いであっても研究者になれました、という希望のメッセージだという見方ができるそうなのですが私にも、心の修造にもそんな受け取り方はできませんでした。
このゾーンの初めで「人にとってムシがどんな存在かを考えましょう」という話があったことを踏まえれば……
あんまり、適切でない……コメントなのでは
。
心の修造は
「自分の中でどう取り入れるかによって変わっていくよ、そう思いませんか」
こう言っているので、希望を持つ人は持つし、傷つく人は傷つくと思いました。
これに引っ張られてしっかり読めませんでしたが、野村周平さんの「聞かれるたびに違うことを答えています」が印象に残りました。私もきっと同じです。
その時々で価値観が変わっていくので、それに準じて回答も変わると思います。
今ならなんと答えるだろう。
楽しみを与えてくれる存在であり、思い悩む原因にもなる。
仕事と割り切ってドライに接することもあれば、身を切ってでも何かしてあげたいと頑張ることもある。
自分というパーソナリティの大部分を決める要素、とでも言いましょうか……
ちなみに苦手な虫は昔は多くてガ類、ゴミムシ、カメムシなど全部触れませんでした。
今は平気です。それぞれの良さを知って克服できました。
でもゴキブリはダメなんですよね……モリチャバネみたいな完全な屋外性のものでも素手では触れません。なんかゾワゾワしちゃう。
オオゴキだけはいけるようになったけど……完全に克服する日は来ないかも。
ともあれ、これで展示本編は終了です。
全部しっかり見てたら2時間くらいたってました。大満足のボリュームです。
昆虫 MANIACのグッズ
最後にグッズ販売コーナーがあります。
ここで買っておきたいのは……図録ですね。
図録は2600円
展示と同じような構成
図録には本特別展の内容がまとめられています。
展示の内容がマニアックなので、どうしても一発ではすべて頭に収まり切りません。
というか後半は文字を読むのも疲れてきて「ワァ…標本きれい」くらいで終わってしまうので、ちりばめられた解説を拾いきれないともったいない感じがします。
図録を家に持ち帰って、改めて読み返すことでまたムシについて考えを深める機会を与えてくれます。
グッズはぬいぐるみやキーホルダーなどいろいろありましたが、私が買ったのは帽子くらいです。
(これ限定品だったっけ?)
ハグロトンボ帽子。もう1種のウンモンスズメ帽子とめっちゃ迷った。
タガメサイダーも買ってみました。ちゃんとカメムシの風味がした(笑)
グッズ情報は公式HP(https://www.konchuten.jp/goods/)を見ましょう。
8月中旬に入荷されるものもあるみたいなので、グッズガチ勢は買いたいものが入荷されているか確認してから行くのがいいかも。
企画展「高山植物」もオススメ!
特別展を見終えたら、そのまま科学博物館内の常設展示などを見ることができます。
ちょうど今の時期(7/30(火)~11/4(月))は日本館の1階で企画展「高山植物」をやっていました。
樹脂封入で作られた高山植物の標本がめっちゃキレイ
コマクサの標本
樹脂封入で作られた高山植物の標本は花や葉の色がそのまま残っていて、非常に美しいものでした。見る価値ありです。
しかしこれ作るのめっちゃ大変なんじゃないか……?
現地で作ってるってこと、だよね?
ライチョウかわいい
結構疲れていたのでそんなにしっかりとは見られませんでしたが、これは行ってよかったなと思いました。
ウスバキチョウとか高山蝶の展示はここにもありましたね。
お盆は混雑が予想されます
私が今回の特別展を訪れたのは8/4(日)の午前中(9時~11時)でした。
混雑度合いはまあまあでした。基本ストレスなくみれるけど、時折待ちが発生する感じ。
お盆に差し掛かる前だったのでいいタイミングだったかもしれません。
混雑が予想されるのは、むしろこれから8月の終わりにかけてですね。
特別展は10/14(月・祝)まで、長めに時期を取ってやってくれるので、遅くても良いのであれば秋以降に行くと混雑回避できそうです。
9/23の大手町インセクトフェアと一緒に行くのもいいかもしれません。
また、入場にあたって必要なチケットは事前に買っておくこともできます。
私は現地で当日券を買いましたが、混雑しているとすぐに入れず待たされる場合もあるようです。
お盆に行こうという場合は特に、チケットを確保しておくことをオススメします。
チケット情報の詳細は公式HP(https://www.konchuten.jp/ticket/)をチェックです!
まとめ:MANIACの奥にある面白さを見てほしい
ざっと特別展「昆虫 MANIAC」の情報をまとめます。
期間: 7/13(土)~10/14(月・祝)
時間: 9時~17時 (入場は16時30分まで)
入場料: 一般・大学生 2,100円、小・中・高校生 600円
貴重な標本も見られたし、監修者の方々が各分野にかける熱い思いを感じることができました。
マニアックな知識を得るごとに面白くなるのがムシの世界だと思います。
新たな昆虫観察や昆虫採集のアイデア収集の上でも参考になります。
是非、MANIACなムシの世界に浸りに行ってみてください。

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