野鳥識別士試験を受けてみた ~勉強方法や問題など~

2025年から始まった野鳥識別士試験

野鳥識別士試験は自然環境研究センターが2025年から新しく始めた試験です。

例えば、この鳥は……?
野鳥の写真を見て、その和名を回答するというシンプルな試験方式で、試験の点数によって以下のように「野鳥識別士」の資格を得ることができます。

100点:マイスター野鳥識別士 
生物分類技能検定1級相当、ライフリスト450程度
90~99点:1級野鳥識別士
生物分類技能検定1級相当、ライフリスト400程度
80~89点:2級野鳥識別士
生物分類技能検定2級相当、ライフリスト300程度
70~79点:3級野鳥識別士
生物分類技能検定3級相当、ライフリスト200程度
60~69点:4級野鳥識別士
生物分類技能検定4級相当、ライフリスト100程度

一番上は「マイスター野鳥識別士」。満点を取ったものにだけ与えられる資格です。
ちなみにライフリストとは、観察した野鳥の種数です。これと既存の生物分類技能検定の級がレベルの目安になっています。

取得する意味は今のところ、ない

そんな野鳥識別士ですが、取ったからと言って役に立つ場面は今のところなさそうです。それがたとえマイスターであっても
同じ”分類”の試験でも、生物分類技能検定1級は専門知識のみならず経験も問われる試験で、資格としての強さは明らかにこちらに軍配が上がります
野鳥識別士の資格が仕事や就活で役に立つシーンは期待できないでしょう。
まだまだ知名度が低いため、就活でもよほど専門の業種を選ばない限り「変わった資格持ってるね」で終わりです。
さらに言えば、既に生物分類技能検定の2級を持っているのに79点以下を取ってしまうと3級相当の烙印を押されることになりかねないというような……受験のリスクすらあります。
ジョウビタキ♂
ジョウビタキ
ということで、いまのところ完全に自己満資格ですが、この試験のいいところは受験資格の制限がないことですね。
生物分類技能検定1級では、受験に際して実務経験(仕事とか)が求められますが、野鳥識別士試験では経験がなくても受けられます。
そして90点以上を取れば生物分類技能検定1級資格者と同等の識別能力があるという評価が得られる、かもしれません
また、生物分類技能検定2級と違って鳥類以外の知識を問われることはないので、鳥以外がさっぱりで分類技能検定がダメな方でも鳥だけ詳しければこの試験では十分戦えるはずです。
自分の識別能力がどんなものか、腕試ししてみる気はありませんか……!

野鳥識別士試験における勉強方法

野鳥識別士試験では野鳥の種名を問われるので、とにかく写真からの種の判別についての知識をつけていく必要があります。
本試験対策に専用のテキスト、過去問はありません
そんな中で勉強方法としてオススメなのが、バードリサーチのTORI-quizです!

いろいろジャンルがある
バードリサーチのHPには写真を見て野鳥の種名を答えるクイズが大量にあり、これを繰り返し解くだけでもかなり勉強できます。
分からなかった問題や、自信を持って答えられなかった問題などは図鑑で確認して補強しましょう。
図鑑としては、私は以下のものを使いました。

♪鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670 第4版

普通種から珍鳥まで、齢や性、夏羽・冬羽など羽衣のバリエーション写真を誌面いっぱいに詰め込んだ識別図鑑。
2019年刊行の第3版から300枚以上の写真を追加・差し替え。

(注)試験は日本鳥類目録改訂第8版に準拠していますが、この図鑑は第8版より前に出版されたものです。
とはいえ識別点がかなり細かく記されているので、この試験にはうってつけの図鑑です。
私はこの鳥くん図鑑とTORI-quizをいったりきたりする手法を1カ月弱くらいの期間続けたうえで、試験に臨みました。
※1カ月かけて勉強と言っても会社で昼休みに問題解いたり、すごいヒマな時に家でやったりした程度で……コツコツ毎日やった感じではないです。

野鳥識別士試験の問題について

私はこの試験を受けてきましたが、本試験では受験者が試験に関して知り得た問題等情報を公開すると処分されるため、問題について言えることがほとんどありません。
チラシに書いてあることをそのまま述べれば、問題数は80問で、試験時間は50分です。
時間的には十分余裕ありました。
問題の大部分は4択式ですが、一部は記述式で種名を答えさせる問題がありました。
記述式の方が問題数が少ない分、配点のウェイトが高そうです。
とても大事なことだと思うので、これだけは言っておきます。
撮影地域、時期などの情報はありません。
あくまで、写真のみの情報から同定できるかどうかを問われています。
ただ背景はちゃんと見えるので、「どういう環境にいたか」というのは判断材料の一つにできます。
問題は受験者によって違うものが出るようなので一概に「こういう傾向」とか言えることもないですね。
陸でも海でも……幅広いジャンルの野鳥が識別できるようになっているべきでしょう。
あと言えることとしては、TORI-quizで対応できたかどうか
……後述の私の点数を見てもらえれば分かると思いますが、TORI-quizをやりこめばある程度の点数は出せると思います。
ただしTORI-quizで一回も見ていないようなマニアックな種も本番の試験では問われたので、図鑑を読み込んで対策することも必要でしょう。

筆者も受験してみました

勤めている会社でこの資格が話題になり、「みんなで受けて点数バトルしよーぜ」みたいな雰囲気になっていたので……私もノリで申し込んでみました。
ちなみに私は昆虫メインの生物屋で、鳥見歴は4年。ライフリストは160くらいだと思います(iNaturalistの投稿種数がそのくらいなので)。
したがって野鳥識別士3級~4級相当のステータスですが、既に生物分類技能検定2級を持っているため、目標は高く80点以上としました。
さて、結果は__

ギリギリセーフ! 82点でした!
ということで目標としていた80点は何とか超えまして、2級野鳥識別士の資格を得ました。
「もっと頑張れば90点いけたなー」などという感覚は全くなく、ギリギリ滑り込んでこの点数という感触でした。
1級はほんとにガチの鳥屋じゃないと無理ではないだろうか……
80点から先は勉強だけで埋められる差じゃない気がします。

試験を受けてみての感想


認定証の背景にいる鳥は級ごとに違うらしい。2級はアカハシハジロでした。
今回私は無事合格、2級野鳥識別士の資格を得ることができましたが……野鳥観察や識別の経験はまだまだ足りないと感じました。
ムシクイやセンニュウ、カモメの幼鳥とかは全部捨てるつもりで臨んでいますし(笑)、
頑張って勉強しても、未だにダイサギとチュウサギを間違えることがあったり、ハシブト/ハシボソガラスすら分かんなくなったりしました。
トウネン/ヨーロッパトウネンみたいに識別ポイントをしっかり覚えても間違える種がいました。
昆虫も大概難しいですが、野鳥は全身くまなく見て調べることができないので、いろいろな判断ポイントを押さえておかなければならないなと改めて感じさせられました。

クサシギ
試験を受けて良かったなと思ったこととしては、少なからず識別能力を上げられたことでしょうか。
今まで見たこともなかった野鳥の姿を勉強する中で覚えることができたのはもちろん、識別を諦めていたカモのメスやシギ類など各種の識別ポイントがざっくり頭に入りました。
これから野外で鳥を見る時に今回勉強した内容が活きるシーンが多くありそうで、鳥見が今後もっと楽しめそうな気がします!
自分の識別能力を試すだけじゃなくて、新たに勉強することで鳥見をより楽しむための知識を身につけることもできる……そういう意味でこの試験は有意義なものであったと思います。
こうやって受験体験記を書いていますが、実はまだ今からでも今年の試験の申し込みが出来ちゃいます!
試験の申し込みは12月19日(金)まで、受験料は8800円です。
申し込みが遅くなるほど受験会場の予約が難しくなるため、早めの申し込みが推奨です。
ぜひ受験して、自分の野鳥識別能力の向上に役立ててください!

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