2016/02/03
「節分だから豆を投げつけられるイベント(謎)に行こう!」
と、親が誘ってきました。
親はとりあえず家族でどっか行きたいらしい。
それに対して自分は、
「どっか採集行けるんだったらいいよ」
すると、親は
「じゃあ行く時間まで採集すれば?」
「!?……そうだな。」
まあそんな感じで採集に行くことになりました。
諦めるも何もない。
机に向かっても何もやる気にならない。
勉強しても何も頭に入らない。
採集に行っても変わらないし、何をやっても何の意味もない。
もうどうしようもない…
とか、そんな感じだった気がします。
2016年の採集に対する姿勢は別に厳しく行くつもりはありません。
行きたくなれば頑張って時間作る!
(実際は頑張れない時に採集行くことが多いんですけどね…)
今回は……どうなんだろ!?

当然ですが、もう本当の本当に最後の更新と言っていた以上ブログの記事更新が出来ないので、記事を書くつもりはなく、写真も全然撮ってません。
だからかなり簡素になると思います。いやなってませんでした。
10時過ぎ位に河川敷に到着。
与えられた時間は14時までの4時間。
少ない時間だけど色々とやりたい事がある……
一箇所目。立ち入り禁止でした(笑)
二箇所目に向かう。
もう何回かこのブログでも出てきてる池なんですが、冬場は草木が枯れて池の淵に行く事が出来ます。
夏でも頑張れば行けそうですが……
池の周りの崖を掘って、ゴミムシを探してみるものの何も出ませんでした……
代わりに見慣れないハネカクシが1匹。
なんとなく気になったので回収しておきましたが…案の定同定に悩まされる羽目に(笑)

チャイロシリホソハネカクシ
Tachyporus abdominalis Fabricius, 1781
展足に失敗して分解されました……
体がツルツルなので抑えづらい上にすぐにバラける。
体長は4mmほど。
Tachyporus(シリホソハネカクシ属)…クロズシリホソハネカクシとかが所属するこの属のハネカクシは頭が黒いものが大半で、赤いものは限られるらしいです。
で、たまたま写真が出てきたこの種がすごく似てる気がした…それだけです(汗)
TKMにはTachyporusはクロズシリホソハネカクシしか無いし…
そもそもマルクビハネカクシとシリホソハネカクシの違いが全く分からないし…
こんなやつばっかりだからハネカクシは手を出しづらいんだよな…
別の日に多数の個体を目撃してるので普通種のはずなんですけどね…
次の気になっているポイント進もうと思ったんですが、またしても夏場入れない場所に道を発見し、寄り道。
そこに転がっていたのは……

史上最多の脱出口が残っているエノキ材。
シラホシ、ムネアカ、ヒシモンの、エノキに入るナガタマムシ三種が全て入っていたんじゃないかと思うほど。
それぞれ異なる大きさの半円形の脱出口が確認されましたが…
まあ、穴だらけの時点で大体察しはついたんですが念のため割ってみることに。
割るとなんと、断面から顔を覗かせる甲虫の姿が!?
どう考えてもさっきあげた三種とは違う。何者!?
金属光沢のある…青っぽい体色が見えます。
全く想定しない展開に焦って写真撮れませんでした(笑)
ピンセットでつまもうとすると、逆に押し込んでしまった(泣)
かなり焦りながら必死に考えて、思いついた方法は…
材の反対側を叩いて衝撃で押し出す!!
やってみると、もう、「スポーーン」という効果音がつきそうな位に綺麗に材の中の虫が飛び出して来ました!!
さあ、一体何ナガタマムシなんだ!!


ルリツツカッコウムシ
Tenerus lewisi Lohde, 1899
お前誰だーーーーー!!!???
正面の顔だけ見たらナガタマ……そうでも無いな(笑)
一瞬騙されてしまった。
それでもタマムシ屋やってんのか!?
まだまだ修行が足りませんね!!(笑)
それにしても綺麗な虫ですね。
カッコウムシとか全然分かんないので同定にかなり時間かかってしまった。
もう少し周辺の材を探してみることに。
あるエノキを割った時、そいつはついに現れた。

違う。こいつはカミキリじゃない!!
頭側から出てしまったので、確認の意味も含めて一度取り出すことにしました。

ネット上の数少ない情報と過去の経験から同定しましたが、ムネアカナガタマムシの幼虫である可能性が高いと思われます。
今度のは生きている!!
生きているタマムシの幼虫は今回が初めてです!!
やっと。やっとここまで辿りついた。
同じ材で幼虫1匹をクラッシュし、
もう1匹別の幼虫を確認しているので材に入ってる幼虫の数は決して少なくは無いと思います。
また少しだけ、タマムシが入る材の雰囲気を掴めた気がする!
とりあえず今回の材から感じたことを簡単にメモしておきます(全く当てにならない情報です)
・断面から見るとカラカラではないけど湿ってるというほどの水分は無い。
(ここはアオマダラ材と同じ)
・脱出口は無くはないけど少ない。
(当然ながら、脱出口の多い材は使用済と考えた方が良くなる訳で…)
・食痕があまりしっかり確認できなくても幼虫が入っている。
(食痕の古さだけで判定するのはマズイ……?)
・結構硬め。材割り的な割り方をするのは難しいけど、足で強めに蹴って折れる位の硬さ(これは実際は太さの問題でもある)。
(足で軽く蹴って割れるような材は古すぎてダメみたい…)
・樹皮はまあまあ残っているがすぐに剥がれる程度。
(完全に剥がれてるような材は古すぎるのかも)
要するに、材の鮮度が大事ってことなのかな…?
こう、書き出してみると当たり前だよなーと思うことばかりなんですよね。
訳も分からず手当たりしだい割っていてもダメですよね。
的確にナガタマムシ材を見極められるようにならなければ!
ところで、ナガタマムシが入ってることはいいんですが、この中から羽脱するタマムシは全て既採集のタマムシなんですよね(汗)
ヤマトとかクロマダラが入ってるわけではなさそうだし(笑)
じゃあわざわざエノキを材採する必要なかったんじゃ無いかと思ってしまうんですが、、
まだナガタマムシの羽化を成功させて無いから(材がカビたため)この材で成功させて自信をつけたい所です。
本当に大事な材を得た時にそれを無駄にしないためにも。
(他にナガタマムシが得られる材の当てがない、というのが正直な所です)
話は変わりますがナガタマムシの幼虫をマクロレンズで撮ってみました(iphone)。

こちらが、頭部
ではなく…こちらが腹部末端部なんです(笑)
ナガタマムシの腹部末端にはこんな感じで一見口のようにも見える一対の突起(?)があります。
(他の甲虫の幼虫でも同じようなものを持っている種がいます)
タマムシの中でも、多分ナガタマムシ属は共通して持ってるんじゃないでしょうか。
※他の属のタマムシの幼虫では無い種類が多そうです。
多分この点がカミキリやカミキリモドキの幼虫とナガタマムシの幼虫を区別する上で一番分かりやすいポイントだと思います。
顔のように見せる事に何か意味があるのか、それとも似せてるつもりは無いのか分かりません(笑)

こっちが本当の頭部です。
頭部の雰囲気はタマムシみんな共通のような気がする…………(言葉で表せない)
それでも、カミキリと何かが違うのが感じ取れる、はずです!!
この採集、当初は受験後の採集のためにポイントを色々と探しておこう!みたいな感じだったんですが、
幼虫が出てしまったので、、、タマムシの材採集モードに切り替わりました(笑)
いろんな材を割ってる中で気づくのは、
・一番数が多いハンノキ材には越冬中のゴミムシ等を含めてもほとんど虫が入っていない。
・クヌギの材は基本的に食痕が多すぎてタマムシが入っているのか判定できない。
(クロナガタマっぽい脱出口のある材があったんですが、、アリが湧いてきたので回収できず)
材採集する中でゴミムシ狙いの朽木割りも少しやりました。
やっぱり、まだ自分の立ち入ったことのない場所にはいい朽木がたくさんありました。
で、アオゴミとオオホソクビ位しか出ないんですが、珍しく朽木からゴモクムシが出たので回収しておきました。

ウスアカクロゴモクムシ
Harpalus sinicus Hope, 1845
正直に言うと、クロゴモクムシの類をまともに同定したのは今回が初めてでした。
いままで、前胸背板の後角が尖ってるのか尖ってないとか歯状とか訳わかんなかったので全部クロゴモクムシにしてました(汗)
ただ、最近になって後角の微妙な違いの見分け方が分かるようになりました。
それで、過去のクロゴモクムシの標本を見直してみた所、明らかな誤りがいくつも見つかったのでこの辺りは同定やり直しが必要になりそうです(汗)
時間がなくなってきたので気になってる場所をさっさと回ることに。

ここは材採集の過程でたまたま見つけました。
部分的に水溜りのようになっています。
水路と繋がっていて、夏にこの付近でオニヤンマらしき大型のヤンマを確認してるので、この近辺で発生しているのではないかと思ってるのですが…
水は汚いように見えますが、水面をよく見るとミジンコがいました。
いままで他の場所では見落としてただけかもしれませんが、この河川敷でミジンコがいる水場ってあんまりない気がする……(水が汚すぎるため)
以前、ミジンコがいる水溜りでヒメガムシとコガムシが大量発生していた事があった(→その時の記事)ので、もしかしたらここでも水生昆虫が発生する可能性があるのかも。
夏場に河川敷に来た時はまたここに来てみようと思います。
あとは、水路周辺の雰囲気がいい感じ(?)だったのでゴミムシ狙いでトラップを埋めるのもいいかも。

ここで最後。
今まで気づかなかったけどグーグルマップのおかげで存在に気づけた池……沼?水溜り??です。
なかなかの広さ。
この付近でのギンヤンマとかオオヤマトンボの発生源かな…と思ってたんですが、
ゴミが捨てられてすごく汚いです。
テレビとか捨ててあるし……
こんなところでトンボが生きられるのか??
ここもまた、確認のために来てみたいと思います。
→夏場は水が干上がってました(汗)
採集はここで時間切れにつき終了。
すごい不完全燃焼感。
でも出かけなきゃならないので家に戻りました。
タマムシの幼虫のその後。

取り出してしまった幼虫はなんとか材の中に戻そうとしたのですが…
この幼虫は動きが物凄く遅いみたいで、元気なのか死にかけなのか全く分かりません(汗)
ちゃんと材に入ったか不安だけど確認するのはもう少し月日が経ってからにします。
→数ヶ月後にテープにくっついて死亡してる幼虫が発見されました…
雑すぎなんだって……
ちなみに材の断面から確認できた2匹目の幼虫は……

※写真に写っているのは腹部末端側です。
こんな感じで腹部末端がはみ出た状態でした。
しばらくすれば中に潜っていくだろうと思って取り出すのは止めておいたんですが、2日経っても動かないので取り出した所死亡が確認されました。
材を折る時に衝撃を与えすぎたか、寒すぎたか、元から死んでいたのか……
材を管理してる容器が案の定蒸れてしまってカビが生えかけていたので、それが原因という可能性も……
※容器の蒸れやカビの発生の対策として、
容器と材を天気のいい日に丸一日 日光にさらして材の表面の湿気を飛ばしています。
それと、容器の蓋を完全に閉めずに隙間を空けています。(羽脱する時期になったらしっかり閉めるつもりです。)
これのおかげで初めは蒸れてカビが生えそうだった材も蒸れることは無く、今年の材は現段階ではみんな大丈夫そうです。
ただ、水分飛ばしすぎてダメとかそういうパターンが怖いです……
それで、
2014年に得たナガタマムシ幼虫(死亡個体)も、材の断面から頭が見える状態で1日何もせずに放置した結果死亡していたことから、
一度材から体の一部が出てしまった幼虫は取り出して再度材に埋め直したほうがいいということを学習しました。
いや、正しいのかは分かんないですけどね……
今回も、亡くなってしまったナガタマムシの幼虫を標本にすることにしました。
前回幼虫の標本作りをやろうとした時は予想外の出来事があり断念してしまいましたが、今回は大丈夫でした。
以前こめもんさんから教えていただいた方法でやってみました。

新たに買ったのは消毒用エタノール(910円)のみ。
スクリュー管は前に買ってました。
使用するスクリュー管の容量が10mlだったみたいなので、エタノール7ml:水3mlで保存液を作りました。
後々気がついたのですが、消毒用エタノールは濃度が100%ではなく、私が購入したものでは76.9〜81.4%となっていました。
要するに、7:3で薄めると薄すぎるということです。
無水エタノールを使えば7:3でもokなのかな…?
耐水インクとか用意できないので、ラベルは手書き……
(先に書いてから切るべきでした。書きにくくて仕方が無かった(汗)
ちなみに、幼虫の体節の長さに違和感を感じて、シラホシナガタマなんじゃないかとか思ってたんですがただ前蛹になってただけだと思われます。
(実際ムネアカナガタマムシ以外は羽化しなかったし)
※タマムシの幼虫は蛹になる前に体を縮めます。

同じじゃね?と思った人は……[画像]
画像リンクは先ほどのムネアカナガの幼虫です。
体節の長さが違うのが分かっていただけるかと。
で、完成した液浸標本がこちらです。

……字が汚い。
(データラベルは裏側に重なってます)
液浸標本としては、こんな感じでいいんでしょうか!?
なんか物寂しい感じになってしまった…
というわけで今回の記事は終了です。
元々は、河川敷の水場がどんな感じなのか気になってたので探るつもりでした。
水生昆虫とか、ヤンマ系の発生源を知りたかったので。
そのついでに某タマムシの捜索やらゴミムシ堀りやらやればいいかなだったんですが……
それが結局タマムシの材採集に変わってしまいました(笑)
材採集に夢中になってたらあっという間に時間が過ぎて、久々の貧果になりました。
去年の失敗から反省して、やれるだけのことはやった。
後はナガタマムシが出てくれることを信じて待つのみです!!
2016.03.18


今までずっと信じられなかった事が現実になっていた…
午前中の間に、次から次へとナガタマムシが材から羽化してきました…





そのタマムシの名は、

ムネアカナガタマムシ
Agrilus imitans Lewis, 1893
既採集種、でもめちゃくちゃ嬉しかった…最高の誕生日プレゼントでした。
(ちなみにこの後、数日間に渡ってムネアカナガの羽脱ラッシュが続き、最終的に21exs. 得ることができました)
【結果】※色付きは自己初採集
ウスアカクロゴモクムシ
Harpalus sinicus Hope, 1845
1ex.
チャイロシリホソハネカクシ
Tachyporus abdominalis Fabricius, 1781
1ex.
ルリツツカッコウムシ
Tenerus lewisi Lohde, 1899
1ex.
エノキ材数本
↓
ムネアカナガタマムシ
Agrilus imitans Lewis, 1893
21exs.

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