開拓を続ける日々

4月に入ってから木々の葉も開き始め、暑さを感じる季節になりました。
ナガタマムシを始めとする各種のタマムシは、関東平野でも続々と活動を始めているようです。
長野では5月くらいまで待たなければだったので……ありがたいです。

私はというと、4/10に河川敷(あんま行ってないエリア)を訪れていくつかのタマムシを確認しました。
※ヒシモンナガ、ムネアカナガ、クワナガ、ウグイスナガ(とナミガタチビ)。


2021.04.18
それからさらに一週間が経った4/18。
風は強いもののいい天気だったので昼から採集に行くことにしました。
今回もまた、河川敷の中でも採集がグレーでなくあまり訪れていない場所へ。
前々からその辺りで探しているナガタマムシがいるので、それが採れればという気持ちで。
今回の狙いに限らず、河川敷を始めとする近所にいそうだけど出会えていないタマムシというのはまだいくつも残っています。
クロナガとか、ケヤキナガとか、ムツボシとか。
時間をかけて少しずつ近所での採集種数を積み重ねていきたいですね。
良さげな樹木を探しながら適当に道を歩いていくと、最近伐採された感のある場所を見つけました。
そんなに太い木のある環境ではないけどエノキが何本か切られていて、伐採木や切り株が斜面上に点在している。これはいい……!
(写真撮り忘れた……)


ヒシモンナガタマムシ
Agrilus discalis E. Saunders, 1873
切り株や伐採木にはヒシモンナガタマムシが多数飛来していました。
今年もこういう季節がやってきて、しっかりタマムシに会いに来ることが出来ました。
別に珍しいものでなくとも、こういう当たり前の事が今の私にはうれしく思えてなりません。

少し太めのエノキ切り株には複数頭のアシナガオニゾウムシに混じってキマダラヒゲナガゾウムシも来ていました。埼玉では初遭遇だったかもしれない。
この切り株にはヒシモンナガの他にムネアカナガタマムシも来ていました。
伐採地の周辺に生えているエノキを掬った際にもムネアカナガタマムシが得られました。
この日はいなかったけど、もう少ししたらシラホシナガタマムシや(ヤマト)タマムシも来そうな環境で、今後が楽しみです。
ここでの採集中、いつの間にか網(ナイロンネット緑)にアサギナガタマムシが飛来していました。前週のクヌギ高木スウィーピングでは得られず今季初確認。 
やっと出たか、と思ったのですがこの日、これ以降アサギナガタマムシを見ることはありませんでした……
(クヌギのスウィーピングでも入りませんでした)
周囲のクヌギが元気な高木ばかりで、アサギナガがよくいるような低木〜小高木が全然なかったから? 
腕の問題かな……

コミスジ本州以南亜種
Neptis sappho intermedia W. B. Pryer, 1877
目の前に飛来したので採集したコミスジ。
真ん中の白筋がかなり太い気がして採集したのですが、これよりも全然太い個体も出るみたいですね。
普通種であるが故にまともに意識せずに見過ごしてきたコミスジですが、調べたら太さには結構変異が出ることを知りました。
近所だとこの辺のグループはアサマイチモンジと本種以外採ってないので、今年は他の種類も意識してみていきたい。
伐採地を後にして、雑木林の林縁へ。(写真撮ってない)
ここには河川敷界隈ではあんまりないコナラが生えています。
(もちろん川から離れると普通に生えている)
スウィーピングではウグイスナガタマムシが得られました。
さらに木の根元には落ちた枝が転がっていて……


ホソアシナガタマムシ
Agrilus ribbei Kiesenwetter, 1879
ホソアシナガタマムシがいました。
スウィーピングよりも落ち枝や倒木、枯れ木に来ていることが多いナガタマムシです。
伐採木、とまでいかなくても何気ない落ち枝にも来ているような種なのですが、スウィーピングするばかりだった過去の自分は本種を1頭しか採集できていませんでした。(この日はここで2頭を確認)
その後も周囲のクヌギなどをすくってみるも、特に何もとれないまま時間が過ぎていきました……

また少し移動してポイントを探していると、日当たりや風通しの良好なクヌギの林縁を発見。
普段は素通りしてて採集に来たことはなかった場所でした。
この日ずっとそうなのですが、めちゃくちゃ風が強いので網を振るのも普通にしんどい……
風の様子をみながら少しずつすくっていくと、どうにかタマムシが入ってくれました。

「ちょっと待って!!!!」
「マジか!!!!」

フチトリヒメヒラタタマムシ
フチトリヒメヒラタタマムシ
Anthaxia (Haplanthaxia) rubromarginata Miwa et Chûjô, 1935

クヌギを寄主とする平たいタマムシの仲間で、身体を縁取るカラーが綺麗な種です。
頭部が緑色のこの個体は雄。雌は前胸側縁部ももっと濃い赤色になるようで、そちらもいずれ見てみたい……!
比較的若いクヌギを好むという話もありますが、ここでは普通のクヌギから採れてくれました。
基本的にあまり多くない虫で、私は2018年にようやく河川敷で本種を見つけることができました。
しかし現在、その場所は採集グレーゾーンに。
ホワイトな場所で本種と再会することが今シーズンの私的目標の一つでもありました。
うれしいが、ここで出会うとは思わなかった……

ナラノチャイロコガネ
Proagopertha pubicollis (Waterhouse, 1875)
さらにナラノチャイロコガネも入っていました。
本種は春に出現し、コナラやクヌギの葉やタンポポなどの花に来るコガネムシで、あまり多くないようです(長野県では春のスウィーピングで時折採れてました)。
私も河川敷では2014年↓に1頭を得たのみでした。

初めてのナガタマムシ掬い

2014.04.197:44 僕は既に河川敷にいました(笑)天気最高!!本当ラッキーだな!!僕は重大な事を忘れていました。ツマキチョウはほぼ午前の採集でしか採れない(らしい…

この回だ、懐かしいノリだな……
そんな感じで、私的には採れるとうれしい虫だったナラノチャイロコガネですが、この日は後に2頭の追加を得ました……(後日他のポイントでも得られたり)
一通りすくい終えて、ポイント移動しようかと思い立つ。
風が強い。
網を畳むのが面倒になってそのまま持って自転車を漕ごうとするも、風が強すぎるので網に身体を持っていかれてしまう……
結局面倒くさくなって、同じ場所でもう少しだけクヌギをスウィーピングしていくことに。
これが功を奏したのでした……

ミツボシナガタマムシ
Agrilus trinotatus E. Saunders, 1873

「やった! 見つけた……!!!!」
すくってみると入ったナガタマムシは今回の目標種、埼玉県内では初採集となるミツボシナガタマムシです。
ミツボシナガタマムシはカシ類を寄主とするナガタマムシなので暖かい地域に多い種です。
長野県では出会えず、過去には奈良で一頭を得たのみ↓でした。

2018GW 奈良遠征1日目: 星が3つ足りなくてもいい!

去年の夏、奈良に帰った時。私は…こんな事を言っていた。父「じゃあGW帰ってくるか?」そんな父の提案により、GW奈良採集遠征が実現する事になったのです。期間は4/28〜30の3日間。普段の帰省より日数が少ないためかなりキツキツのスケジュールに…

ミツボシナガタマムシ
ミツボシナガタマムシはカシ類で発生するものの成虫はクヌギのスウィーピングでも得られるとの事で、今日は本種狙いでほぼクヌギだけをすくっていたのでした……
アラカシが多少生えているエリアも候補地としてあったのですが、ここで一頭採れたことで満足してしまい……これ以上先へ進むのはやめにしました(風強すぎて、つかれた)。
ちなみにミツボシナガタマムシを新たに加え、実家から自転車圏内の近所で得たタマムシ科は24種になりました。
アオマダラタマムシ以外の23種は河川敷界隈産です。河川敷以外を攻めればまだ出せるはず。
頑張れば30種はいけるはず……!!
種数を稼ぐことが目標にはならないけど、近所で見つけたい未採集種や既採集種を合わせると6種以上はいるので到達は必至でしょう……

今日はライトトラップもやろうと思っているので、適当なクヌギ林を選んだら日が暮れるまでの時間でポイント近くをすくい歩く。
写真のように枯れツルの絡んだクヌギをすくってみると、見かけない雰囲気の甲虫が入った。
なんだこれ、と思いつつ網の底を覗いてみる……
ヒメトサカシバンムシ
「本当に何者だよこれ!!??」
思わずツッコミを入れるくらい、科も検討のつかない虫でした。
後にヒメトサカシバンムシ Anhedobia capucina (Reitter, 1877)と判明。
シバンムシ科……あんま馴染みのないグループですが本種やトサカシバンムシはそこそこ格好いい種です。
これらトサカシバンムシの仲間は枯れ枝につくといます。
初見の印象はやべーカタビロハムシだったけどありえないと思って、帰るまでに頑張って考えて「トサカシバンムシの仲間」を思い出せました。

マルガタチビタマムシ
Trachys inedita E. Saunders, 1873
ここまで触れてませんでしたが、この場所は数年前にマルガタチビタマムシを複数確認したムクノキがある場所でもあります。
そのムクノキから、この日は無数のナミガタチビタマムシが入るだけでしたが……隣にあるハンノキから一頭だけマルガタが採れました。
なんだか随分ご無沙汰だった気がする。夕日に照らされる金色の毛が綺麗です。
そのあとは草本のスウィーピングを軽く行って、昼の採集は終了。
最後に網に入っていたのはアオグロナガタマムシと、もうひとつ。

シュロゾウムシ
Derelomus uenoi Morimoto, 1959
特徴的な色彩のシュロゾウムシ。今回採集して初めてその存在を知りました。
名前の通りシュロにつくゾウムシで、この時期さりげなく咲いている花に特によく集まるのだそう。
シュロにつくゾウムシなんていたんだなあ……
ここからは夜の部
相変わらず風が強いのでクヌギ林内でライトを点灯した後、適当に周辺をルッキングしてゴミムシ類を探すことに。


まず目についたのはこちら。河川敷では初遭遇のキアシマルガタゴミムシのつもりで採集していたのですが、この記事を書いているときに違和感に気づく。これキアシマルガタじゃなくない?

羽化してからまだ十分に時間が経っていないようで、交尾器を見ても正直ピンとこないが……
しかしコマルガタゴミムシにしては大きいし、何となく違和感があるのでニセコマルガタゴミムシを疑っています(近々ちゃんと調べます)。
正真正銘キアシマルガタゴミムシな個体も見かけていたのですが……スルーしてしまった。
どうせ何度も訪れる場所なので、いずれ普通のコマルガタとともに確保しよう。
さらに少し歩くと、川岸の砂地に出られる道を発見。
砂地のゴミムシは全体的に縁がないので、何かいないかなと期待しつつ見ていくと……

カワチマルクビゴミムシ
Nebria (Eunebria) lewisi Bates, 1874

「カワチだーー!!!やったあ!!!」
普通はこんな喜ぶほど珍しくも何にもないゴミムシなのですが、私的遭遇は人生二回目です。
前回は2014年、某所での塵芥の下から得たのみでした。

このような、川岸に近い湿った砂地で春に夜間ルッキングを行えばめちゃくちゃ普通に、たくさんみられる種で、実際この場所でも多数みられました。
私が夜間砂地ルッキングや川岸での石起こしを全然やらなかったために7年もの間出会えなかったゴミムシでした……大型で模様も格好いい!
夜間ルッキングでの成果はこんなところで、ライトトラップはというと……

オオバコヤガ(左)
Diarsia canescens (Butler, 1878)
オオバコヤガ、シャチホコガ、ヤマトカギバ、何らかのエダシャク……
ほかは微小な蛾が少々といった感じで惨敗でした。
ウスズミケンモンとか来ないかなーと思ったんですが来ませんでした……なんかやたら寒かった。
全部強風が悪いです。

帰宅途中、埼玉県では初遭遇となるフタホシスジバネゴミムシを拾いましたが、帰宅後みたら何故か手元になかった。
採集した、よな……?
この日の採集はこれで終了です。


おまけ。さらに一週間後の話。
2021.04.25
思いがけず前週採れてしまったフチトリヒメヒラタタマムシですが、実は「ここなら採れそう」という場所はすでに見つけていまして……今回はそちらのポイントへ改めて挑戦しに来ました。

この辺りはクヌギやハンノキの若い木が点在しています。
若木は高木より展葉が遅いようで、葉はまだ明るい黄緑色です。
アサギナガタマムシウグイスナガタマムシ
左:アサギナガタマムシ
Agrilus moerens E. Saunders, 1873
右:ウグイスナガタマムシ
Agrilus tempestivus Lewis, 1893
スウィーピングではアサギナガタマムシやウグイスナガタマムシが時折得られました。
クヌギにつくタマムシとしては他にオオウグイスナガタマムシダンダラチビタマムシがいますが、今年は両者とも未だみられていません。もう出てると思うのですが……

左:シナノクロフカミキリ
Asaperda agapanthina Bates, 1873
右:トゲハラヒラセクモゾウムシ
Metialma cordata Marshall, 1948 
その他の甲虫も、これまで採集を行ってきた(現在グレーゾーン)ポイントのものと変わりなく思えました。
というかこのメンツすごい懐かしいな……
フチトリヒメヒラタタマムシ

フチトリヒメヒラタタマムシ
Anthaxia (Haplanthaxia) rubromarginata Miwa et Chûjô, 1935

2時間ほどのスウィーピングの末、フチトリヒメヒラタタマムシも一頭だけ採集できました。
というか、また雄だ……(笑)
とはいえ人生三頭目。
こんな格好いい虫は何回とれてもうれしいですからね。
本種の発生期はまだしばらく続くので、雌の採集も目指してこれからもクヌギをすくい続けます……!

この日フチトリヒメヒラタタマムシが得られたクヌギ。
同じくらいのサイズの他のクヌギよりも展葉が遅れている印象を受けました。
やっぱりこういう新鮮すぎるというか、弱弱しい感じの葉っぱが好みなのか……?
この日も午後からの採集で、フチトリヒメヒラタタマムシを採集した時点で日が傾き始めていたのでここで終了。
月齢など条件が良くなかったためライトトラップはやりませんでした。次の目標種にはまだ少し早いかもしれないし……
そんな感じで、まだ余裕があるので4月の週末は積極的に採集に出ることができました。
いつまでもこんなゆとりのある週末が続いてほしいものですけどね、そろそろ覚悟はしなければ……
近所でもまだまだ新しい発見の可能性を感じられたので、これからはこの一月弱で開拓した場所を中心にいろいろな虫を狙っていきます。
世間的にはGWに入りましたが、コロナがなかったら今年は離島遠征も行けたよなあ……いや、どうせ……

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