
ダイミョウキマダラハナバチ Nomada japonica Smith, 1873
キマダラハナバチ属(Nomada)は、ハチ目ミツバチ科に属するハナバチの仲間です。
『日本産ハナバチ図鑑』(多田内・村尾, 2014)には51種が掲載されているなかなか大きなグループです。
アシナガバチを思わせるような赤と黄色の派手な模様を持つ種が多く、美しいグループで私の好きなハナバチでもあります。
ただ、そんなキマダラハナバチ属もやはり……同定の壁が厚いです。
2022年には『日本産ハナバチ類同定の手引き』(渡辺・長瀬, 2022)というハナバチの検索表が多数収録された文献が出版されましたが……キマダラハナバチ属はハブられました(別に同定資料の作成が計画されているという)。
ということで、好きなグループなのにまともに同定できないというジレンマをずっと抱えていたのですが……試しに自分用の検索表でも作ってみようかなと思い付き、およそ1日かけてやってみました。
まずはひたすら図鑑のデータを表にする
日本産ハナバチ図鑑には各種の形態が事細かに記されているため、まずはそれをExcelに起こして比較表を作ります。
作った表をChatGPTに食べさせて、「検索表を作ってほしい」とお願いしてみると……
さすがに無理か(笑)
全然うまくいきませんでした。スキャンOCRした図鑑PDFデータを合わせて与えたらもっとうまくやってくれるかなと思ったけど、ハナバチ図鑑はまだ裁断したくなかったのでやめました。
ということでAI頼りは諦めて人力で検索表(?)を作りました。
図鑑に記載の内容だけでは51種を識別することは困難で、図鑑の写真を見ながら「こうかもしれない」と思ったものを足して作っています。
キマダラハナバチ属のやっかいなところは、形質に変異があることですね。
湾入したりしなかったり、棘4本だったり5本だったり。模様あったりなかったりもするでしょう。
したがって作った検索表では「可能性が高い種を絞るのには使えるか?」という程度だと思います。
無論、日本産ハナバチ図鑑を手元において確認しながら同定する使い方がいいです。
これまでのように図鑑見て「コレダァ!」てやるよりはまともに同定できるかなと思っています。
雌雄で形態差が大きいため、♂♀別々に作りました。
雌雄の差は触角が分かりやすいです(♂:13節、♀:12節。一部例外あり)
種の末尾のページ番号は『日本産ハナバチ図鑑』のページです。
→♂の検索
日本産ハナバチ図鑑掲載の51種の検索(♀)
1 後脛節末端部に棘がない。
→エサンキマダラハナバチN. esana(北、本)p.367
1′ 後脛節末端部に棘がある。→2
2 前伸腹節はほとんど無毛。→3
2′ 前伸腹節には白色または黄色の毛が疎~密に生える。→8
3 体背面の色彩は黒色と黄色の2色。→4
3′ 体背面には赤色部があり3色から成る。→6
4 前翅の亜縁室は3個。小盾板に黄色の斑紋がある。→5
4′ 前翅の亜縁室は2個。小盾板は黒色。小型で6mm以下。
→コイケキマダラハナバチN. koikensis (北、本州中部)p. 385
5 中胸盾板と腹部背板の点刻はより密で強い。
→ツシマキマダラハナバチN. tsushimae(対馬)p.403
5′ 中胸盾板と腹部背板の点刻はより疎。
→ガロアキマダラハナバチN. galloisi(北、本、四、九)p.373
ガロアキマダラハナバチ
6 小盾板は高く盛り上がり双山状。後脛節末端部の棘は4本。
→アブタキマダラハナバチ N. abutana(北海道)p.356
6′ 小盾板は高く盛り上がらない。後脛節末端部の棘は4~5本。→7
7 後脛節末端部の棘は5本。腹部第一背板と小盾板が赤色。
→アイヌキマダラハナバチN. roberjeotiana(北、本州中部)p.396
7′ 後脛節末端部の棘は4~5本。最後方の1本のみ細長い。腹部に赤色部はない。
→アラシキマダラハナバチN. arasiana(本州中部)p.360
前伸腹節にちゃんと毛が生える
8 触角第2鞭節は第1鞭節とほぼ同長か短い(比0.9-1.1)。→9
8′ 触角第2鞭節は第1鞭節よりも長い(比1.3-)。→22
9 後脛節末端部の棘は一部が平たく変形し、明らかに針状でない。→10
9′ 後脛節末端部の棘はすべて針状で長さはさまざま。→11
10 後脛節末端部の棘は4本で、3本が平たく変形し後方へ向かって湾曲する。
→ムナカタキマダラハナバチN. ecarinata(北、本)p.365
10′ 後脛節末端部の棘は4~5本で、3本が黒色で短く先端が丸い。
→セイヨウキマダラハナバチN. guttulata(本、九)p.375
11 後脛節末端部の棘は10本以上ある。→12
11′ 後脛節末端部の棘は10本以下(多くて7本)。→13
12 前伸腹節に目立つ黄斑がある。触角第3鞭節は第1鞭節とほぼ同長。
→アマミキマダラハナバチN. amamiensis(奄美大島)p.358
12′ 前伸腹節は黒色。触角第3鞭節は第1鞭節より短い。
→ダイミョウキマダラハナバチN. japonica(北~沖)p.382
ダイミョウキマダラハナバチ
13 前伸腹節の毛は疎らに装う→14
13′ 前伸腹節の毛は密に装う→18
14 前伸腹節の毛は短く疎、後脛節末端部の棘は6本。
→オカモトキマダラハナバチN. okamotonis(北、本、九)p.390
14′ 前伸腹節の毛は長い、後脛節末端部の棘は4~6本。→15
15 体色は黒と黄色の2色で、赤色部はほとんどない。小盾板も黒色。
→イッシキキマダラハナバチN. issikii(北、本、四、九)p.381
15′ 体に赤色部があるか、赤色を帯びる。小盾板は黄色または赤色。→16
16 後脛節末端部の棘は非常に長い。
→エチゼンキマダラハナバチN. alboguttata(北、本、九)p.357
16′ 後脛節末端部の棘はふつうの長さ。→17
17 胸部は全体的に長く疎らな毛で覆われる。大型で体長が10mmを超える場合もある。
→モリノキマダラハナバチN. silvicola(北、本)p.399
17′ 前伸腹節以外はほとんど無毛。体長は9mm以下。
→モモグロキマダラハナバチN. hakusana(北、本)p.378
18 前伸腹節の毛は短い。黒色に黄色の斑紋を有しギングチバチ類に模様が似る。
→ヤノキマダラハナバチN. yanoi(本、九)p.406
18′ 前伸腹節の毛は長い。→19
19 後脛節末端部の棘は5本。胸部と腹部は全体的に赤色で、黄斑がない。
→タイチョウキマダラハナバチN. taicho(本、九)p.400
19′ 後脛節末端部の棘は4本以下。体背面にふつう黄斑がある。→20
20 後脛節末端部の棘は3~4本で、最後方の1本以外は平たく細い葉状。
→アスワキマダラハナバチN. aswensis(本、九、屋)p.362
20′ 後脛節末端部の棘は3本。全て針状。→21
21 後脛節末端部の棘は最後方の1本を除いてより短く太い。顔の赤色部は広い。
→ソマヤマキマダラハナバチN. pulawskii(北、本、九)p.394
21′ 後脛節末端部の棘は全て細長い針状。顔の赤色部は狭い。
→コキマダラハナバチN. okubira(北、本、四、九、屋)p.391
コキマダラハナバチ
触角第2鞭節>第1鞭節
22 後脛節末端部の棘は10本以上ある。→23
22′ 後脛節末端部の棘は10本以下(エサキキマダラハナバチのみ10本の場合がある)。→27
23 後脛節末端部の棘は10~14本。→24
23′ 後脛節末端部の棘は20本以上ある。→25
24 前伸腹節に赤斑がある。後脛節末端部の棘は最後方の1本以外は太短く密生する。
→ナシモンキマダラハナバチN. pyrifera(本、四、九)p.395
24′ 前伸腹節に黄斑がある。後脛節末端部の棘は非常に長く密生する。
→トゲナガキマダラハナバチN. xantha(奄美大島、沖縄島)p.404
25 後脛節末端部の棘は20本で短い。体色は黒で黄斑があり、脚以外に赤色部はほぼない。
→ヒメオカモトキマダラハナバチN. temmasana akitsushimae(本、九)p.401
25′ 体には赤色部が多い。→26
26 後脛節末端部の棘は先端が丸く、束状に密生する。
→ニッポンキマダラハナバチN. nipponica(北、本、四、九、屋、種)
26′ 後脛節末端部の棘は細い針状で密生する。
→ハリマキマダラハナバチN. harimensis(北、本、四、九)p.379
ハリマキマダラハナバチ
27 前伸腹節の毛は短く疎らに生える。部分的に密な場合あり。→28
27′ 前伸腹節の毛は長い。短かったとしても疎ではない。→34
28 前伸腹節に目立つ黄斑がある。後脛節末端部の棘は4本。
→イカヅチキマダラハナバチN. icazti(本、四、九、対)p.380
28′ 前伸腹節に黄斑はない。→29
29 偽尾域は変形の弱い長毛からなり、尾節板も非常に長い毛に覆われる。
→フサゲキマダラハナバチN.fusca(北、本)p.372
29′ 偽尾域や尾節板に長毛は発達しない。→30
30 触角第2鞭節の先端幅に対する長さは2倍以上、第3鞭節でも1.8倍と長い。
→ケーベルキマダラハナバチN. fervens(北、本、四、九)p.368
30′ 触角第2鞭節の先端幅に対する長さは2倍未満(~1.8倍)、第3鞭節では長くても1.5倍程度。→31
31 前伸腹節の毛は背面側方ではやや密。
→クロキマダラハナバチN. leucophthalma(北、本、九)p.386
31′ 前伸腹節の毛は全体的に疎らに生える。→32
32 頭盾は高く盛り上がり、小盾板も高く盛り上がり明瞭に双山状。前伸腹節は黒色。
→エサキキマダラハナバチN. amurensis(北、本、四、九、屋)p.359
32′ 頭盾や小盾板は高く盛り上がらない。前伸腹節に赤斑がある。→33
33 触角第2鞭節は第1鞭節の1.7倍の長さ。頭部の赤色部は頭頂でつながる。
→ミズホキマダラハナバチN. panzeri(北、本、四、九)p.393
33′ 触角第2鞭節は第1鞭節の1.5倍の長さ。頭部の赤色部は頭頂で分断される。
→トワダキマダラハナバチN. towada(北、本、九)p.402
34 後脛節末端部の棘は2本で短く太い。
→ギンランキマダラハナバチN. ginran(北、本、四、九)p.374
34′ 後脛節末端部の棘は3本以上ある。→35
ギンランキマダラハナバチ
35 後脛節末端部の棘は全て針状で変形しない。→36
35′ 後脛節末端部の棘は3本で、うち前方の2本が平たく変形する。
→ウシヅノキマダラハナバチN. comparata(北、本、四、九、屋、種)p.364
ウシヅノキマダラハナバチ
36 前翅の亜縁室は2つ。
→キノスケキマダラハナバチN. kinosukei(北、本)p.384
36′ 前翅の亜縁室は3つ。→37
※この辺からかなり怪しい
37 前伸腹節の毛は疎らに生える。部分的に密な場合もある。→38
37′ 前伸腹節の毛は密に生える。→41
38 複眼の内縁部に沿って1対の目立つ黄斑がある。
→カオモンキマダラハナバチN. maclifrons(北、本、四、九)p.387
38′ 複眼の内縁部に沿った目立つ黄斑はない。→39
39 後脛節末端部の棘は4~5本で、非常に長く太いため目立つ。
→ヤクシマキマダラハナバチN. yakushimensis(屋久島)p.405
39′ 後脛節末端部の棘は細い針状。→40
40 後脛節末端部の棘は4本。頭部は赤色部が発達し、単眼域や触角は赤色部に完全に囲まれる。
→サバエキマダラハナバチN. sabaensis(本州)p.397
40′ 後脛節末端部の棘は5~9本。単眼域や触角は赤色部に完全には囲まれず、分断がある。
→フクイキマダラハナバチN. fukuiana(北、本、四、九)p.370
41 触角第2鞭節が長く、先端幅に対する相対長は2.4倍ある。
→ヒゲナガキマダラハナバチN. hakonensis(北、本、四、九、対)p.377
41′ 触角第2鞭節が長くても、先端幅に対する相対長は2倍程度。→42
ヒゲナガキマダラハナバチ
42 前伸腹節の毛は黄色みを帯びる。→43
42′ 前伸腹節の毛は白色。→45
43 後脛節末端部の棘は3~5本。前伸腹節に斑紋はなく黒色。
→カグヤキマダラハナバチN. kaguya(本、四、九)p.383
43′ 後脛節末端部の棘は6本以上。前伸腹節には斑紋がある。→44
44 体は赤色部が多く、小盾板も赤色。前伸腹節にも大きな赤色斑がある。
→ヤマトキマダラハナバチN.calloptera(北、本、九、屋、種)p.363
44′ 体に赤色部は少ない。小盾板には一対の黄斑、前胸腹板にも1対の小さな赤斑がある。
→エゾキマダラハナバチN. fulvicornis jezoensis(北、本)p.371
45 後脛節末端部の棘は4~5本であるが、周囲の剛毛と共に密生するので判別しづらい。
→ヒロハキマダラハナバチN. pacifica(北、本、四、九)p.392
45′ 後脛節末端部の棘は判別できる。→46
46 体長7mm 未満。→47
46′ 体長7mm 以上。→48
47 前伸腹節に大きな赤色斑がある。
→ヒメキマダラハナバチN. flavoguttata(北、本、四、九、屋、種)p.369
47′ 前伸腹節には毛の下に小さな赤色斑がある。
→ミヤマキマダラハナバチN. montverna(北、本、九)p.388
ミヤマキマダラハナバチ
48 腹部に黄斑はない。
→アラメキマダラハナバチN. erythra(奄美大島)p.366
48′ 腹部に黄斑がある。→49
49 頭盾は前方に強く突出する。
→アソズキマダラハナバチN. asozuana(本、九)p.361
49′ 頭盾は前方に突出しない。→50
50 大顎は中央部で強く湾曲する。後脛節末端部の棘は4~5本。胸背部の赤色条は細い。
→シラキキマダラハナバチN. shirakii(北、本、四、九、屋、種)p.398
50′ 大顎はふつう。後脛節末端部の棘は5~8本。胸背部の赤色条は太く目立つ。
→ハッコウキマダラハナバチN. hackoda(北、本、四、九、屋)p.376
日本産ハナバチ図鑑掲載の46種の検索(♂)
♂が(ハナバチ図鑑発行時点で)未発見のため、以下の5種は除外。
アソズキマダラハナバチ(本、九)
フサゲキマダラハナバチ(北、本)
ダイミョウキマダラハナバチ(北~沖)→発見された
クロキマダラハナバチ(北、本、九)
サバエキマダラハナバチ(本州)
1 後脛節末端部に棘がない。
→エサンキマダラハナバチN. esana(北、本)p.367
1′ 後脛節末端部に棘がある。→2
2 尾節板の先端は湾入しない、または中央部が僅かに湾入する。→3
2′ 尾節板の先端は明瞭に湾入する。→21
3 触角第2鞭節は第1鞭節とほぼ同長か、より短い(比0.9-1.1)。→4
触角第2鞭節は第1鞭節よりも長い(比1.4~)→14
4 後脛節末端部の棘は13~16本。体長は11 mm以上。
→アマミキマダラハナバチN. amamiensis(奄美大島)p.358
4′ 後脛節末端部の棘は4~7本。体長は11 mm以下。→5
5 前伸腹節はほとんど無毛。→6
5′ 前伸腹節には白色または黄色の毛が疎~密に生える。→11
6 体背面の色彩は黒色と黄色の2色。→7
6′ 体背面には赤色部があり3色から成る。→9
7 前翅の亜縁室は3個。小盾板に黄色の斑紋がある。→8
7′ 前翅の亜縁室は2個。小盾板は黒色。小型で6mm以下。
→コイケキマダラハナバチN. koikensis (北、本州中部)p. 385
8 中胸盾板と腹部背板の点刻はより密で強い。
→ツシマキマダラハナバチN. tsushimae(対馬)p.403
8′ 中胸盾板と腹部背板の点刻はより疎。
→ガロアキマダラハナバチN. galloisi(北、本、四、九)p.373
9 後脛節末端部の棘は5本。腹部第一背板と小盾板が赤色。
→アイヌキマダラハナバチN. roberjeotiana(北、本州中部)p.396
後脛節末端部の棘は4~5本。最後方の1本のみ細長い。腹部に赤色部はない。
→アラシキマダラハナバチN. arasiana(本州中部)p.360
(番号ミスりました、10は無しです)
11 腹部第一背板は赤色を帯びる。後脛節末端部の棘は4本。尾節板の先端は湾入しない。
→ムナカタキマダラハナバチN. ecarinata(北、本)p.365
11′ 体背面には赤色部がなく、黒色に黄色い斑紋のみがある。→12
12 腹部には一対の黄斑があるほかに目立った斑紋がない。小盾板も黒色。
→イッシキキマダラハナバチN. issikii(北、本、四、九)p.381
12′ 腹部には複数対の黄斑がある。小盾板は黄色。→13
13 尾節板の先端は丸い。模様は全て分断され、ギングチバチに似る。
→ヤノキマダラハナバチN. yanoi(本、九)p.406
尾節板の先端は裁断状。後半部の模様は中央でつながる。
→モモグロキマダラハナバチN. hakusana(北、本)p.378
第2鞭節>第1鞭節
14 体長は6 mm以下。→15
14′ 体長は6 mm以上。→17
15 触角第二鞭節は長く、第一鞭節の2.8倍。→16
15′ 触角第二鞭節はやや長く、第一鞭節の2.1倍。
→キノスケキマダラハナバチN. kinosukei(北、本)p.384
16 小盾板は黄斑がある。
→ヒメキマダラハナバチN. flavoguttata(北、本、四、九、屋、種)p.369
16′ 小盾板は黒色。
→ミヤマキマダラハナバチN. montverna(北、本、九)p.388
17 触角第2鞭節は長く、第1鞭節の2.7倍。
→ナシモンキマダラハナバチN. pyrifera(本、四、九)p.395
17′ 触角第2鞭節は長くとも、第1鞭節の1.7倍。→18
18 後脛節末端部の棘は10本程度。
→ハリマキマダラハナバチN. harimensis(北、本、四、九)p.379
18′ 後脛節末端部の棘は4~5本。→19
19 前翅の第3亜縁室は上方で強く狭まる。
→エチゼンキマダラハナバチN. alboguttata(北、本、九)p.357
19′ 前翅の第3亜縁室は上方で強く狭まらない。→20
20 後脛節末端部の棘は4~5本。前方の2本は太短い。
→セイヨウキマダラハナバチN. guttulata(本、九)p.375
20′ 後脛節末端部の棘は4本。いずれも同形の針状。
→アブタキマダラハナバチN. abtana(北海道)p.356
尾節板の先端は明瞭に湾入
21 触角第2鞭節は第1鞭節よりも短い(0.8倍)。
→コキマダラハナバチN. okubira(北、本、四、九、屋)p.391
→あるいはソマヤマキマダラハナバチN. pulawskii(北、本、九)p. 394
21′ 触角第2鞭節は第1鞭節よりも長い(1.2倍~)。→22
コキマダラハナバチ
22 触角第2鞭節は長く、第1鞭節の2.5倍以上(2.7倍~)。→23
22′ 触角第2鞭節は長くとも、第1鞭節の2.5倍未満(~2.4倍)。→25
23 後脛節末端部の棘は5~9本。触角第2鞭節は最も長く第1鞭節の3倍。顔面の黄色部は発達する。
→カオモンキマダラハナバチN. maclifrons(北、本、四、九)p.387
23′ 後脛節末端部の棘は4本以下。触角第2鞭節は長く第1鞭節の2.7倍。顔面の黄色部の発達は弱い(特に複眼内縁部)。→24
24 後脛節末端部の棘は3本。体長は小型で4.5-7 mm。
→ヒゲナガキマダラハナバチN. hakonensis(北、本、四、九、対)p.377
24′ 後脛節末端部の棘は4本。体長はより大型で7.5-11 mm。
→イカヅチキマダラハナバチN. icazti(本、四、九、対)p.380
ヒゲナガキマダラハナバチ
25 後脛節末端部の棘は10本以上。→26
25′ 後脛節末端部の棘は多くても8本。→27
26 後脛節末端部の棘は短く、10~12本。脚や触角を除くと体に赤色部はほとんどない。
→ヒメオカモトキマダラハナバチN. temmasana akitsushimae(本、九)p.401
後脛節末端部の棘は極めて細く長い10本。体に赤色部が多い。
→ニッポンキマダラハナバチN. nipponica(北、本、四、九、屋、種)p.389
27 後脛節末端部の棘は2本。
→ギンランキマダラハナバチN. ginran(北、本、四、九)p.374
27′ 後脛節末端部の棘は3本以上。→28
ギンランキマダラハナバチ
28 尾節板の先端は深く湾入する(狭く深くが多い)。→29
28′ 尾節板の先端は湾入するが、深くない。→34
29 体長6 mm以下。後腿節の基部下面の凹みは強く、腿節の中央を越える。
→アスワキマダラハナバチN. aswensis(本、九、屋)p.362
体長6.5 mm 以上。→30
30 後腿節の基部下面は明瞭に凹み、うろこ状に変形した毛を密に備える。後脛節末端部の棘は3本で、前方の2本はやや太い。
→ウシヅノキマダラハナバチN. comparata(北、本、四、九、屋、種)p.364
30′ 上記と異なる。→31
31 触角の下面隆起は第2鞭節で稜状、第3~第5鞭節では楕円形。小盾板に明瞭な黄斑がある。
→カグヤキマダラハナバチN. kaguya(本、四、九)p.383
31′ 触角の下面隆起は不明瞭。小盾板には小さな赤斑がある場合もある。→32
32 前伸腹節三角域は前半部に荒い皺状彫刻があるが、後半部は平滑で光沢がある。
→タイチョウキマダラハナバチN. taicho(本、九)p.400
32′ 前伸腹節三角域は全体的に彫刻があり、光沢はない。→33
33 後脛節末端部の棘は4本。腹部第二背板の黄斑は背面でつながる。
→フクイキマダラハナバチN. fukuiana(北、本、四、九)p.370
33′ 後脛節末端部の棘は5~8本。腹部第二背板の黄斑は背面で分かれる。
→ミズホキマダラハナバチN. panzeri orientis(北、本、四、九)p.393
ミズホキマダラハナバチ
34 前伸腹節の毛は疎らに生える。→35
34′ 前伸腹節の毛は比較的密に生える。→39
35 後脛節末端部の棘は4~5本で、非常に長く太い。
→ヤクシマキマダラハナバチN. yakushimensis(屋久島)p.405
35′ 後脛節末端部の棘は通常の針状。→36
36 小盾板は高く盛り上がり明瞭な双山状。→37
36′ 小盾板は盛り上がらない。→38
37 頭盾は高く盛り上がり、触角の下面隆起は第1鞭節で稜状、第2~5鞭節では丸く盛り上がる。
→エサキキマダラハナバチN. amurensis(北、本、四、九、屋)p.359
頭盾は盛り上がらない。触角の下面隆起は発達し、第2~6鞭節では特に高く盛り上がる。→モリノキマダラハナバチN. silvicola(北、本)p.399
38 後脛節末端部の棘は周囲の毛と混ざって判別しにくい。
→ヒロハキマダラハナバチN. pacifica(北、本、四、九)
38′ 後脛節末端部の棘は判別できる。
→シラキキマダラハナバチN. shirakii(北、本、四、九、屋、種)p.398
39 尾節板の先端は幅広く湾入する。→40
39′ 尾節板の先端の湾入は浅いか、狭く湾入する。→42
40 後脛節末端部の棘は3~4本で、腹部に黄斑はない。
→アラメキマダラハナバチN. erythra(奄美大島)p.366
40′ 後脛節末端部の棘は5本以上で、腹部に黄斑はある。→41
41 前伸腹節三角域の前半部の皺状彫刻は深く刻まれる。
→ハッコウキマダラハナバチN. hackoda(北、本、四、九、屋)p.376
41′ 前伸腹節三角域の前半部の皺状彫刻は弱く刻まれる。
→ケーベルキマダラハナバチN. fervens(北、本、四、九)p.368
42 小盾板は高く盛り上がり、双山状。黄斑がある場合もある。→43
42′ 小盾板は盛り上がらず、赤色。
→トワダキマダラハナバチN. towada(北、本、九)p.402
43 後腿節の基部下面は明瞭に凹む。→44
43′ 後腿節の基部下面は明瞭に凹まない。
→エゾキマダラハナバチN. fulvicornis(北、本)p.371
44 触角の下面隆起は第1鞭節で稜状。以降は楕円形に高く盛り上がる。
→トゲナガキマダラハナバチN. xantha(奄美大島、沖縄島)p.404
44′ 触角の下面隆起は第2~3鞭節で弱く楕円形に盛り上がるのみ。
→ヤマトキマダラハナバチN.calloptera(北、本、九、屋、種)
キマダラハナバチの深みへ
今回は解説ではなくて、純粋に作ってみた検索表をそのまま載せてみました。ちゃんと使えるといいですが……(多分ムリ!)

ギンランキマダラハナバチ Nomada ginran Tsuneki, 1973
キマダラハナバチの仲間はほとんどが春に出現します。
ちょっと自然のあるところにいかないと見られない印象が強いですが、調べがいがある生き物です。
この記事を格好いいキマダラハナバチの仲間に目を向けるきっかけにしていただけたら……(笑)

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