河川中流域でヤナギの花からヒメハナバチを採集する

ハチ目(膜翅目)
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ヒメハナバチについての概要や、平地で見つかった種については前記事で紹介しました。
そちらをご覧の上で本記事を見ていただければと思います。


2026.03.29

自分の住んでいる辺りはほとんど河川の下流域にあたる場所で、砂礫河原は少ないです。
ヤスマツヒメハナバチのような砂地のハチを探すのであれば、もう少し川を上る必要がある……と考え、今回は礫河原が広がる中流域の河川敷まで来てみました。

ヤナギは生えているが

先日そこそこヒメハナバチが採れたタチヤナギがここにもいっぱい生えていてくれれば……と思っていたのですが、どうやら9割以上がカワヤナギ(花終わっている)のようでした。

カワヤナギの綿毛
綿毛が出ているカワヤナギ

カワヤナギは綿毛を飛ばして増えていくのですね。というか他のヤナギもそうなのかな。
この河川敷でヒメハナバチ採集を楽しむには3月上中旬に来る必要がありそうです。

河原をさまよいながら花が咲いているヤナギを探します。
遠目に見て黄色っぽく見えるものが花と信じて……

なんとか見つけた1本。シダレヤナギか?
花はバッチリ咲いています

この花からは頭の黄色いヒメハナバチが多数入りました。
新しい種かと思いましたが、いずれも既採集のチビヒメハナバチ Panurginus crawfordi Cockerell, 1914でした。

ただ、ここではまだ見れていなかった本種のメスも1頭だけ採れました。

チビヒメハナバチの雌雄
チビヒメハナバチのオス(左)とメス(右)

メスも少ないながらちゃんと花に来ているのですね。
本種以外には、いつものツヤマメヒメハナバチも採れました。小型種は同種かどうかの見極めが難しいので標本がどんどん増えていく……

頼みの綱であるタチヤナギも少ないながら生えていました。

花が咲いたタチヤナギ
タチヤナギの花
花は満開です

双翅目が大量に集まっていましたが、ハナバチもそれなりに採れました。
先ほども採れたチビヒメハナバチ、ツヤマメヒメハナバチのほか、新しいヒメハナバチも。

頭盾は黄色く黄色部も特徴的な形をしていますが、該当する種が見つけられませんでした。
こんな特徴的なのに分かんないのモヤモヤするなあ……

この他に採れたのは既採集のフクイヒメハナバチ(メス)でした。
いっぱいサンプルを採って来たけど、フタを開ければ既採集種のオンパレードでしたね。環境を変えてもよく採れる種はあまり変わらないのか……

ヒメハナバチの成果としてはここまでで、あとは河川敷をさまよっている時に採れたものをご紹介しておきます。

河川敷に広がるアブラナ群落

河川敷には写真のようにアブラナ群落が広がっている場所もありました。
ヤスマツヒメハナバチはこういうところにいるんじゃないかと思ったのですが、ヒメハナバチの姿は全くなかったです。

ただ、他のハナバチはいました。

アブラナを訪花するNomada属
アブラナを訪花するNomada属

ハナバチの中でも私が特に好きなグループであるキマダラハナバチ属Nomadaも出始めたようで、アブラナで1頭が採れました。
過去には自分で検索表づくりを試みたりもしました(日本産キマダラハナバチ属51種の検索表作りの試み【日本産ハナバチ図鑑より】)。

かなり派手派手な種で、おそらく採集経験のないものだと思います。
ちゃんとした検索資料もいただいたので、今回はそれで同定に臨むも……何だかわかりませんでした
ハナバチ図鑑見ても「これ」っていうのがないし、この仲間の同定はほんとに大変ですね……

アブラナからは大きめのハナバチも採れました。

こちらはハキリバチ科のツツハナバチのようです。初めて出会いました。
管住性のハチの仲間ですね。自宅に設置した竹筒トラップにもそろそろハチが来始めるでしょうか?

アブラナを訪花するトラフシジミ
アブラナを訪花するトラフシジミ

山に近い中流域まで来たからでしょうか、トラフシジミもいました。
個人的に本当に縁のないチョウで、とくに春型は10年ぶりくらいに見ました。
標本も1個体しか持ってなかった気がする。格好良くて好きなチョウなんですけどね……
(ちゃんと採集できました)

アブラナにはコメツキムシもついていました。
あれ……これもしかしてクシコメツキか!?

脚の爪や頭部の特徴から、クシコメツキ属であることは間違いなさそうです。
この仲間でも小型のグループ(コガタ、マルクビ、チャバネ等)は春にのみ出現するということで今年はサンプリングに注力したいと思っていたところでした。

うっすら翅に色がついているので、もしかするとチャバネクシコメツキかもしれません。
だったらとてもうれしいのですが……もっと顕著な個体を採らないとダメですね。

この日は夜までねばって夜間ルッキングもやる予定だったので、河原で昼寝したり石起こししたりしながら時間を潰しました。

石下から出てきたヒメサビキコリ
石下から出てきたヒメサビキコリ

石下からは頻繁にこのコメツキが出てきました。
この仲間は何種類かいて見分けるのは難しいですが……何頭か持ち帰って調べました。
後翅はちゃんとあり、ただのヒメサビキコリで良さそうな感じです。

近縁種は海辺に多い感じでしょうか?
気になってはいるのですが、近所で探してもこれ1種しかいないかも知れませんね。

夜間ルッキングの会場

今日の夜はここでゴミムシを探すつもりです。
カワラゴミムシとか、フタモンマルクビゴミムシが出てくれたら……という気持ちで。

ー2時間後ー

やっと暗くなりました。風が強いので日没後は寒くて耐えるのがしんどかった……
肝心のゴミムシはというと、惨敗でした

キベリアオゴミムシ

発見できたのは写真のキベリアオゴミムシと、アオグロヒラタゴミムシの2種のみでした。
まだ時期早かったかな……? フタモンマルクビどころかカワチマルクビゴミムシもいなかったのでショックでした。夜まで耐えるのキツかったのにこんな結果とは……

タチヤナギを訪花するヒメハナバチの仲間
タチヤナギを訪花するヒメハナバチの仲間

というところで、この日の採集は終わりです。
全体的に微妙な成果でしたが、前の記事にくっつけると長くなりすぎるので分けました。

もうさすがにヤナギ花すくいはいいかなという感じです(笑)
クシコメツキも出始めたので、次のターゲットにシフトチェンジして採集活動を続けます。

この2週間くらいでヒメハナバチをしっかり見たことでこの仲間をかなり好きになれたので、今後も行く先々で出会ったヒメハナバチを採集していけるような気がします。

同定できるかどうかはともかく、積極的に採集できる対象がまた一つ増えたような気がしてうれしいです。

今年も県内を中心にいろいろ調べていきます!



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