【昆虫標本】標本箱と防虫剤などの関連アイテムのおすすめを紹介します

道具、書籍

標本箱は昆虫標本を守る箱

本記事では昆虫標本に使う標本箱について紹介します。
標本箱とは昆虫標本を保管するための箱やケースのことで、ふつうは中にPEF(ポリエチレンフォーム)やコルクのシートなどが貼られている事が特徴です。

T-WOODのドイツ箱
ドイツ箱(大)

虫や台紙に針を刺して作る昆虫標本を、中のPEFやコルクに刺すことで固定できます。
こうすれば、標本に直接触らずに整理や管理が行えるわけです。

タテハチョウの標本箱
標本を入れた標本箱

そんな標本箱ですが、いくつか種類があることはご存じでしょうか。
標本箱の素材が変われば品質も大きく変わります。箱選びは慎重に行わなければなりません。

さらに、昆虫標本は標本を箱に入れるだけでOKというわけでもなく、防虫剤を入れる必要もあります

はじめて昆虫標本を作るときなど、何を選んだらいいか迷ってしまうかもしれません。
本記事ではそんな方のために、ある程度いろいろな標本箱を使ってきた私が本当にオススメできる商品を中心に紹介します。

標本箱のおすすめNo.1はドイツ箱

「ドイツ箱」、または「ドイツ型標本箱」と呼ばれる標本箱があります。博物館などでも使われているもっとも一般的なタイプの標本箱です。

私が普段使用しているバードウィングのドイツ箱

標本箱を選ぶ上で一番重視すべきことは、気密性の高さ__つまりフタが隙間なくピッタリ閉まることです。
標本箱には昆虫標本を長期保管するにあたっての最大の敵である害虫の侵入を防ぎ、湿気からも守れる気密性が求められます。

そういう意味では、専門家や研究機関が使うドイツ箱を選ぶ以上に良い選択肢はありませんので、お金に問題がなければ迷わずドイツ箱を買ってください。

大サイズのドイツ箱が最も一般的に使用されていて、博物館などの収蔵棚などとも互換性があります。
※大(標準)サイズ:幅509mm×高さ418mm×厚み60mm

問題は、そう……ドイツ箱はお高いんですよね。
最安はT-WOODのまとめ買い5箱セットだと思いますが、それでも1箱(大箱)あたり安くても8000円くらい。
-大特価商品-ほお材 N型艶消し塗装 ドイツ箱 5箱セット

数箱買うだけならAmazonでもいいと思いますが、大量に標本を作ることが確定している場合はお買い得な5箱セットで買いましょう。

ドイツ箱のメーカーとして、代表的なのはバードウィングT-WOODです。
ドイツ箱の値段はT-WOODの5箱セットで40,000円、バードウィング5箱では43,725円です。送料は関東地方であればいずれも1,600円かかります(2025年現在)。

バードウィングの方が値段が高いですが、品質についてはバードウィングの方が良いという意見も多いです。

ただし、T-WOODの標本箱は数年前と今では品質が変わっていて、フタのしまりがかなり固くなりました。
開けづらいということはそれだけしっかり密閉できるということでもあるので、クオリティが上がったことが伺われます。

今のT-WOOD箱はバードウィング箱と大差ないぐらいガッチリ閉まります。品質を気にする方にもおすすめできる標本箱です。

とはいえ……例えば自由研究などでちょっとだけ作った標本を保管するために、高級なドイツ箱を買うのはためらわれると思います。
ということで、ドイツ箱には手を出せないという方に向けて以下で他の選択肢についても紹介します。

100均(ダイソー)にも標本箱が売っている

最近では100均でも標本箱やそれに近い箱が売っていることをご存じでしょうか?

ダイソーの標本箱
ダイソーに売っていた標本箱(のような小箱)

自由研究の成果やちょっとお試しで作った標本などを飾りたいとき、100均の標本箱が役に立ちます。
中にコルクが敷いてあるタイプも見かけます。ない場合は自分でスチレンボードなどをカットして敷きましょう。

ただし注意してほしいのは……100均の標本箱にはふつうにチャタテムシなどの標本害虫が湧きます
気密性が低いため長期間の保存には向きません。
あくまで一時的な展示とか、そういう時のその場しのぎで使うだけのものとして考えておくべきです。

じゃあ、その場しのぎの展示が終わった後の標本をどこに避難させればいいかというと……100均に優秀な避難先があります。

実はドイツ箱の次に優秀な100均タッパー

100均にはいろいろなサイズのタッパーが売っていますが、ちょうどいいサイズのタッパーの底にスチレンボードなどを貼り付ければ標本箱を自作できます。

スチレンボードも100均やホームセンターで売っていることがあります。なければ床用のマットとか加工してもいいかも。

抗菌フードストッカー 2.6L

おすすめのタッパーはキャンドゥで売っている「抗菌フードストッカー 2.6L」です。
以前から標本箱の代用品としてよく使われていた「しっかりパックX」の後継品で、厚さ、大きさ、気密性、どれをとってもちょうどいい商品です。

タッパーの気密性は後述の桐製の標本箱やボール紙標本箱よりも断然高く、現状ドイツ箱に次いでオススメできる商品です。
唯一の欠点はフタが半透明で中身が見えづらいことですね。観賞用には向きません。

本格的な見た目かつ安価でおすすめのシーラ箱

シーラ箱、またはシーラケースと呼ばれる標本箱もあります。
サイズは少し小さめ(280×208×72)ですが、見た目はしっかりした標本箱で、値段もドイツ箱よりはるかに安いためオススメできます。

シーラ箱
シーラ箱。底のPEFは最初から敷いてある。

気密性はタッパーには及びませんが100均の標本箱よりは全然マシで、見た目が上質なので観賞用としてもオススメできる商品です。

桐製標本箱は見た目はいいが気密性が少し弱い

桐製の標本箱も比較的よく使われる印象があります。
桐の木は湿気を吸収しやすく、湿気に弱い標本を保管するには適しています。

サイズも選べて、小さいほど安価です。
大型は7000円ほどですが中型であれば3000円くらいで、大きさはシーラ箱より少し小さいくらい。

ただし、ドイツ箱ほどの気密性はないので、これを選ぶならもうちょっと背伸びしてドイツ箱を買うことをオススメします。

デスコケースにはかつてお世話になりました

安価なフタつき透明ケースの底にスチレンボードを敷いて標本箱とするのも手です。
私がかつて使っていたものは蝶プラ工業のデスコケースというもので、わりとしっかりフタが閉まるので気密性も悪くありません。

標本箱の代わりになるデスコケース
デスコケース。けっこう大きめで標本もたくさん入る。

値段は1000円強ほどで、高校生の頃でもこれなら無理せず買えました。

ボール紙製標本箱はオススメできません

ボール紙製の標本箱なんてものもあります。

ボール紙標本箱
ちょっと汚いのは、まさにこの箱で虫害が発生したためです

これは確かインセクトフェアとかで買ったもので、2000~3000円くらいだったような気がします。
探してみると同じような商品が見つかりますが……高いですね。1箱8000円くらいします。

ボール紙製の標本箱は気密性がまったくダメで、長期保管には使えません
一時的な保管や標本の移動用に使うものと考えてください。

まあ、これに8000円出すくらいならふつうにドイツ箱を買う方がいいですよね。

というところで標本箱についての紹介を終わります。

標本箱のサブアイテム3選

ここからは標本箱と合わせて使うアイテムを3つ紹介します。

防虫剤は衣類用のものを1箱に1つ

標本箱には防虫剤を1個入れます。

標本箱の性能に関わらず防虫剤は入れるべきです。
なぜならコナチャタテなどの害虫は標本に付着して箱の中に侵入するからです。密閉した箱で外からブロックしていても、標本経由で入る虫は完全には防げません。

標本箱に防虫剤を入れておけば、中に充満した成分が侵入した害虫を撃退してくれることが期待できます。

昆虫標本に使うのは衣類用の防虫剤で良く、交換サインが分かりやすいものがオススメです。

防虫剤
サインが出る前(左)、出たあと(右)

私が使っているものはピレスロイド系の無臭の防虫剤です。
ドラッグストアでも売っていることがあります。

ピレスロイド系の防虫剤は有効期間が短い代わりに人体への影響は少なめです。

防虫剤の種類としては他にナフタリンやパラジクロルベンゼン、しょうのうがありますが、どれも吸いすぎると健康に悪いので注意が必要です。

いずれもニオイがあるタイプの防虫剤で、効いているかどうかわかりやすい反面、標本にも特有のニオイがつきます。
また、これらの防虫剤は併用がNGで、同時に使うと薬剤が溶けてしまいます。

ナフタリンは有効期間が長く長期保管に向いています。標本箱の数が多すぎて交換にあまり手が回らない場合はナフタリンを使うとよいでしょう。

パラジクロルベンゼンは即効性があり、一度虫が沸いた後とかに使うのが適していそうです。カビの発生防止にも効果があるようですが、脂肪を溶かす性質があるので脂肪の多い標本では脂がにじみ出てしまうようです。

しょうのうは効果期間も短く、昆虫標本にはあまりオススメできません。

標本箱オープナーは100均の「ヘラ」で代用

標本箱を開ける際に、フタが固く開けづらいことが多々あります。
そんな時スキマに差し込んで使う「標本箱オ-プナー」というアイテムがあります。

標本箱の開け閉めに慣れていない、あるいは私のように手掌多汗症(手汗むっちゃ出る)であれば、あった方がいいでしょう。

なお、私はこれを100均(ダイソー)で売っている「厚手スクレーパー」で代用しています。

厚手スクレーパー
塗装とかのコーナーにある

使い心地は悪くなく、個人的にはこれでも十分かなと思っています。

標本箱のラベルはカードタイプ

標本箱の中身が何なのかを分かりやすくするため、箱にもラベルがついているといいですよね。

付箋などを貼ることで簡易的なラベリングもできますが、私はカード式のものを使っています。

PLUS(プラス) カードホルダー 粘着剤付 スティキット100枚(NO.400) 33-731 70×20mm

中のカードは入れ替えが出来るので、内容の変更もスムーズでいいです。

おわりに

本記事では標本箱とその関連アイテムのオススメを紹介しました。

結論を言えば、ドイツ箱が買えるならドイツ箱を買い、無理なら買うまでの間はタッパー標本箱で耐えてください

展示とかしたい場合はシーラ箱や100均標本箱も活用できますが、チャタテムシなどの発生には十分注意してください。

標本箱や防虫剤への投資は、標本を守ることにつながります。
できるだけ長くに渡って標本を守り続け、活用の場まで連れていく__という気持ちで昆虫標本を扱っていただければと思います。

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