クズ(マメ科)が茂った場所でよく出会うのがこのカメムシ。

ホシハラビロヘリカメムシ Homoeocerus (Tliponius) unipunctatus (Thunberg, 1783)です。
本種にはよく似たハラビロヘリカメムシ Homoeocerus (Tliponius) dilatatus Horváth, 1879という種もいますが、2種は触角第1節の長さを見ることで見分けられます。
ハラビロヘリカメムシは触角第1節が頭部の幅より短く、ホシハラビロヘリカメムシでは長いです。
頭部の幅は2種とも同じくらいなので、触角第1節の長さそのものもホシハラビロヘリカメムシの方が長いです。
写真では触角を取り外して並べていますが、これくらいやらないと分からないですね。比べづらい位置関係です。
触角の長さで見分けるのが基本の2種ですが、これもけっこう微妙な違いで悩まされます。
ハラビロヘリカメムシの触角なんか頭部より短いというかほぼ同じ長さですよね。初見の時は自信もって同定できませんでした。(図鑑には「短い」としか書いてない)
並べてみると、典型的な個体であれば触角を見なくても雰囲気の違いが掴めると思います。
体型の違いは置いておいて(性差とかあるので)、まず色が違いますよね。
ハラビロは透け感のある赤褐色で、ホシハラビロは明褐色です。
それから、特徴的な2つの黒点についてもハラビロの方がぼんやりしていて、ホシハラビロでは明瞭です。
何個体かハラビロヘリカメムシを見ていますが、わりとみんなこの見た目なのでこの色と透け感、黒点のぼんやり感を覚えておけば同定の助けになりそうです。

冒頭で紹介したホシハラビロヘリカメムシはクズ(マメ科)によくついている虫で、見つけることは決して難しくありません。
マルカメムシ、コフキゾウムシ、メダカナガカメムシと並ぶクズの四天王みたいな印象です。
一方でハラビロヘリカメムシの方は低地ではあまり多い虫ではないようです。
つく植物もホシハラビロとは異なっていて、本種は同じマメ科でもハギ類やヤブマメなどにいます。
したがって、クズではないマメ科にハラビロヘリカメムシの仲間がついていたら……要注意です。
ここまで、ハラビロヘリカメムシとホシハラビロヘリカメムシの紹介でした。
この属には国内であと2種が知られています。どちらも少ない種ですがついでなので紹介しましょう。
1種は、アズキヘリカメムシ Homoeocerus (Tliponius) marginiventris Dohrn, 1860です。
こんな写真しかありませんが、これが私が唯一出会ったアズキヘリカメムシです。
本種はダイズやアズキなどにつく害虫として知られているものの、個体数は少なくまともな被害が出ることはめったになさそうです。いくつかの県でレッドリストに掲載されています。
アズキヘリカメムシにはハラビロヘリカメムシのような2つの黒点もなく、体形もスマートなので見間違うことは少ないと思います。
問題はもう1種のシロヘリハラビロヘリカメムシ Homoeocerus (Tliponius) pallidulus Blöte, 1936ですね。
こちらには2つの黒点があり、一見するとホシハラビロヘリカメムシにそっくりです。
シロヘリハラビロは名前の通りヘリが白く黒点が出ないことでホシハラビロヘリカメムシと見分けられます。
ただ……かなり珍しい種のようです。私は出会ったことがありません。
本種はマメ科のノアズキという植物につきますが、このノアズキが(特に東日本で)そもそも少ない植物であるため、虫の方も見つけるのは容易ではなさそうです。

アズキの仲間ってこんな感じの黄色い花を咲かせるのですよね。
気にしては居るのですが、全然見つけられないです。シロヘリハラビロヘリカメムシに出会える日は来るでしょうか……
全部ホシハラビロヘリカメムシと思わず、ついている植物に注意して見るようにしましょう!

コメント